研究概要 |
平成18年度研究では,個々の車両の走行を陽に表現することが可能な沿道汚染の高解像度数値シミュレータを開発し,様々な交通パターンについて系統的に気流場と汚染物質拡散の数値実験を行うことにより、車両走行風が初期拡散に与える影響について基礎データを取得すると共に,これをアセスメントの実用計算に応用しやすい形にモデル化することを目的とした. 1.解析対象道路の選定と基本データの整備 堺市および周辺部の複数道路について幾何学的特徴及び周囲建物状況の現地調査を行った。車両走行により生じる乱れを路側帯で直接計測するにあたり、周囲建物による乱れが少ないこと、通過する個々の車両とそれにより生じた乱れとの対応関係が付けやすいこと、等の観点からテストケースの解析対象道路を選定し、乱流観測・走行速度測定・ビデオ撮影を行った。また、堺市およびその周辺部について、レーザ計測による地表面形状の数値データを入手すると共に、大阪府下の大気環境測定局の観測データを収集・整理し、データベース化した。 2.数値シミュレータの作成 複雑な道路形状,防音壁や街路樹・植裁等の道路構成要素を計算格子上で表現する技法や、排ガスの反応計算モジュールについて検討を行った。また、車種(セダン、トラック)や走行パターン(一方通行、対面通行)を変更した揚合についてテスト計算を行った。 3.研究発表 走行車両からの排ガス拡散の基礎的なシミュレーション結果について国内学会で2件の研究発表を行った。
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