研究課題
基盤研究(C)
自然保護区域における動植物相およびその生息環境の変化、ならびに社会経済的変化に伴って変化するランドスケープとその構成要素の変貌を明らかにして、自然環境保全区域におけるランドスケープ機能の評価手法を解明することを目的とする。今年度の分析対象区域である日光国立公園の地形、気象、植生に関する情報を収集し、次年度以降の解析に必要なデータベース化のためのデータ分析と整理を中心に作業を進めた。国立公園のランドスケープ構成要素の変動を考える上で、周辺地域の関連情報を如何に収集し、また現在だけではなく過去数十年にわたる情報の分析が不可欠である。そこで日光国立公園の周辺地域である日光市、鹿沼市、今市市を中心に、社会基盤情報として人口推移、市町村別の総生産や所得なども収集し、過去の地形図等から道路整備と主要地点における交通量の推移についても分析を開始した。また自然環境に関するデータについては、植生図や気象データ(降水量、日射量、気温等)を出来るだけ過去に遡って収集した。今市市での1970年代の人口増加に対して、日光市では逆に減少しているが、交通量は日光自動車道の開通とともに日光周辺で増加していることなどが読み取れる。日光国立公園に隣接する群馬県片品村では、1990年代前半のバブル崩壊によって一時的に交通量が激減していること、あるいは日経平均株価の推移を経済活動の指標として日光国立公園の利用者数の変遷と併せて、いろは坂の無料開放やリゾート法の施行、奥日光の自動車乗り入れ規制等の制度面の効果について検討しうる情報が収集できた。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (1件)
Management of natural resources, sustainable development and ecological hazards. WIT Press, London
ページ: 321-328