奥日光地域を対象に過去50年の土地被覆区分、気象や植生に関する自然環境に関する情報や社会基盤に関する情報等をもとにランドスケープ構造とその変動要因を分析した。特に戦場ヶ原と小田代ヶ原の湿原面積の変化は顕著であり、戦場ヶ原の消失速度はほぼ一定で1.2ha/年と推定された。湿原の消失には、短時間雨量の増加による土砂供給が影響すると考えられるほか、小田代ヶ原では1950.1960年代の森林伐採とその放置が大きく影響したと考えられた。ランドスケープの変動を評価にあたっては、人為影響だけではなく、自然環境下での変動を定量的に評価することも必要である。
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