拙稿「持続可能性からみた水道事業経営」において、政令指定都市と中心とする水道事業体が作成・公表している環境報告書の内容を比較検討した。また、水道事業ガイドラインにおける環境に関連している指標を検討した。わが国の場合、質・量ともに東京都水道局が公表する環境報告書が突出しているが、今後は情報内容の比較可能性の確保の議論が必要となる。 拙稿「企業の社会性評価とCSR」は、日本経営分析学会第25回年次全国大会における統一論題での報告を論文にまとめたものである。社会性評価はSRI(社会的責任投資)において重要な視点であるが、その方法が確立しているとはいえない。CSRは多面的であるため定量化することが困難であり、各SRIファンド独自の分析手法が取り入れられている。本研究は分析技術的な視点ではなく、社会性評価をおこなう視点やその意味について検討している。 平成20年8月8〜10日に長崎県立大学でおこなわれた会計学サマーセミナーにおいて、「CSRと社会性情報開示」と題する報告をおこなった。戦略的CSRやWin-Win関係の検討後、わが国企業のワーク・ライフ・バランス(WLB)に関する情報開示の実態調査をおこない、実際のWLB制度導入と情報開示の現実には格差があることを指摘した。その検討内容については、日本社会関連会計学会スタディ・グループの中間報告書『日本企業におけるCSR情報の動向調査』にまとめている。
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