研究課題/領域番号 |
18510034
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
藪田 雅弘 中央大学, 経済学部, 教授 (40148862)
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研究分担者 |
今泉 博国 福岡大学, 経済学部, 教授 (30151666)
井田 貴志 熊本県立大学, 総合管理学部, 助教授 (60265030)
市川 芳郎 日本文理大学, 商経学部, 教授 (40168315)
大石 和博 宇都宮共和大学, シティライフ学部, 専任講師 (60326965)
仁部 新一 九州共立大学, 経済学部, 助教授 (20268775)
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キーワード | エコツーリズム / 地域開発 / 地域の環境保全 / 持続可能性 / コモンプール |
研究概要 |
エコツーリズムないしグリーンツーリズムは、衰退する地域にあって、自然環境や文化的歴史的資産を保全しつつ、観光業を軸にして地域産業を活性化し地域の厚生水準を高めていく極めて現実的かつ現代的要請に即した施策である。本研究では、/.地域環境財としてのコモンプール財に関する理論動向を受けて、エコツーリズムに関する文献をサーベイし、これまでのエコツーリズムに関する諸定義を統合、整理し、再定義する。エコツーリズム論を展開すること、2.市場を経由する様々な手法と、地域環境財をルールによって管理・運営する手法を比較検討し、文献上で解説された様々な具体的なエコツーリズムの展開状況を分析すること、3.エコツーリズムと持続可能な観光との関連性を明確にした上で、エコツーリズムのもたらす産業論的な効果(観光経済論)と、エコツーリズムがもたらす環境への影響を分析すること、4.エコツーリズムが基礎とするべき、持続可能な資源利用、過剰消費傾向や浪費の抑制、自然的、社会的および文化的多様性の維持、ツーリズムの地域計画への内包化、地域経済の維持、開発や環境保全面での地域共同体との連携、旅行業や地方自治体、地域の様々な組織間の協働、関係者、スタッフの教育、観光客への十分な情報開示にもとづくマーケティング、ならびに、適切かつ十分なデータにもとづくモニタリングと研究の実行、などの点と、コモンプール財の適正管理・運営の関連性を明示させることを通じて方法論を明らかにし、5.総じてエコツーリズムの具体的事例研究を行う。三年計画の初年度である今年度については、各研究者の分担に沿って、学会報告や研究報告ならびにいくつかの部分は論文の形でまとめられた。方法論としての環境評価や具体的な住民参加に関する事例研究、ならびに地域(日本においては島嶼や世界遺産地域におけるエコツーリズムの展開、海外では、モンゴルや英国、カナダの事例など)が調査された。次年度には、それらの分析を整理統合し、さらに研究をより発展させるとともに、学会報告や論文の形での公表を重ねていく予定である。
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