本年度の研究において、次の4点について研究を行った。 1)日本とイギリスの再生可能エネルギー普及政策の比較に関する論文を国際誌に発表した。その内容を簡単は次の通りである。すなわち、イギリスと日本ともにRPSという同じ制度を使っているものの、イギリスに比べて目標値が小さく、ペナルティーも緩やかであるため、普及が進んでいない。 2)アメリカ各州のRPSの実施状況について、文献・資料調査を行った。カルフォルニアはRPSを導入しているが、テキサス州と異なり、複雑なシステムになっている。評価にはより詳しい調査が必要である。 3)ヨーロッパ各国の電力買い取り補償制の実施状況、およびEUの電力自由化・再生可能エネルギー普及政策について調査研究を行い、関係者、研究者に必要なヒアリングをおこなった。特にドイツでは、電力供給法、再生可能エネルギー法等の再生可能エネルギー普及政策の維持が、ポジティブな経路依存性とでもいうべき状況のもとでなされているという評価をドイツの研究者が行っている。これは日本のエネルギー環境政策とは対照的である。 4)再生可能エネルギー普及政策に関する基礎理論についての研究を行った。同じ効果をもつとされている電力買い取り補償制とRPSであるが、新規参入者に対する効果が違うのではないかと考えられる。 2)〜4)の成果は、論文または書籍にて次年度以降に発表する予定である。
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