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2006 年度 実績報告書

DNAの超短パルス紫外線照射損傷過程の分子レベル実時間観測

研究課題

研究課題/領域番号 18510051
研究種目

基盤研究(C)

研究機関独立行政法人日本原子力研究開発機構

研究代表者

村上 洋  独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究職 (50291092)

研究分担者 赤松 憲  独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力基礎工学研究部門, 研究職 (70360401)
キーワードDNA / 紫外線損傷 / 2光子吸収 / 超高速分光 / 鎖切断
研究概要

1.過渡分光測定システムの開発(担当:村上)
2チャンネルフォトダイオードアレイ検出器付き分光器を導入し、制御ソフトウェア・ラボビューを用いて分光器、シャッター、光学遅延器と試料移動ステージを制御するためのプログラムの構築を実施した。
2.DNA膜試料の調製及び鎖切断の評価(担当:赤松)
プラスミド精製キットを使用し、大腸菌を用いてpUC18プラスミドDNAを調製した後に、石英ガラスプレート上に滴下して、乾燥DNA膜を作成した。照射後の試料の鎖切断量の定量をアガロースゲル電気泳動により実施した。
3.DNA損傷の紫外線パルス照射強度依存性実験(担当:村上)
1)照射スポットサイズの評価
紫外線パルスとして4パスアンプ付き再生増幅チタンサファイアフェムト秒レーザーの第三高調波(266nm、70uJ/pulse、パルス幅:約150フェムト秒)を用いた。カーボンを塗布したガラス基板を置き、フォーカス用のレンズの焦点方向の距離を変化させながら照射した後に、照射による変色したスポットを顕微鏡観察することによりDNA照射時のスポットサイズを評価し、集光強度をレンズ位置により調整した。
2)DNA照射実験と2光子吸収による鎖切断
試料を液体窒素フロー型クライオスタット内に置き、窒素雰囲気下で4℃に保持しながら、一つの照射条件で一つのDNA膜を照射し、試料移動ステージを用いて2次元的に移動させ膜全面を照射した。紫外線照射強度を数10メガワット/cm^2から数百ギガワット/cm^2まで変化させた。照射後の試料の分析により、数ギガワット/cm^2以上で鎖切断が確認されて、照射強度が増加するにつれて、鎖切断畳も増加することが分かった。この閾値以下ではパルスエネルギーが同じであるにも関わらず、鎖切断は確認できなかった。このことにより、紫外線フェムト秒パルスによる2光子吸収による鎖切断の存在が明らかになった。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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