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2007 年度 実績報告書

放射線によるミトコンドリアDNAの変異誘発

研究課題

研究課題/領域番号 18510054
研究機関愛知県がんセンター研究

研究代表者

組本 博司  愛知県がんセンター(研究所), 中央実験部, 研究員 (00291170)

キーワードミトコンドリアDNA / 放射線 / D310 / ゲノム不安定
研究概要

ミトコンドリアは、真核生物に存在する細胞内小器管であり、酸化的リン酸化によるエネルギーの生産以外にもアポトーシスなど細胞活動に重要な役割を果たしている。我々はこれまでに食道がん腫瘍において、高頻度(34.2%)でミトコンドリアDNA(mtDNA)に変異が生じていることを明らかにした。また、食道がん培養細胞株において、p53遺伝子に変異のある株ではX線の照射によりmtDNAに変異を持つ細胞が増加するという結果を得た。
食道がんのmtDNAの高頻度で変異が生じるメカニズムを解明するため、X線の照射により変異を持つ細胞が増加した食道がん培養細胞株(KYSE-30,110)の線量依存性を解析する目的で、生存率が0.01となる線量の1/2及び1/4の線量のX線を照射した。多数のコロニーを単離した後、それぞれのコロニーからDNAを抽出し、D310領域の変異を生じたmtDNAの割合をGeneScanにより解析した。D310領域はmtDNAのD-loop領域中に存在するC塩基の繰り返し配列であり、高頻度で変異が見られるホットスポットである。変異D310の細胞内における存在比が0.3以上のものをD310に変異を持つコロニーと定義し、各々のコロニーを解析した。その結果、KYSE-30,110とも生存率0.01となる線量の1/2,1/4量の線量ではコントロールとほぼ同程度の割合のコロニーしか変異を蓄積しておらず、高線量のX線の照射により、KYSE-30では約5%、KYSE-110では約15%のコロニーで変異を検出した。低線量の照射ではミトコンドリア内の修復装置によって修復が進み変異は検出されないが、高線量の照射ではミトコンドリア内の修復装置が不足し、D310領域が十分に修復されないため変異を蓄積する細胞が増加したと考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Opposite impact of NKG2D genotype by lifestyle exposure to risk of aerodigestive tract cancer among Japanese.

    • 著者名/発表者名
      Furue, H.
    • 雑誌名

      Int J Cancer (掲載確定)

    • 査読あり
  • [学会発表] 頭頸部・食道・大腸がんにおけるNKG2Dハプロタイプ多型と生活環境因子の交互作用2007

    • 著者名/発表者名
      古江浩樹
    • 学会等名
      第66回日本癌学会総会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2007-10-05
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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