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2008 年度 実績報告書

新規フッ素系界面活性剤は代謝活性化により毒性を発現するか?

研究課題

研究課題/領域番号 18510063
研究機関城西大学

研究代表者

工藤 なをみ  城西大学, 薬学部, 准教授 (10161647)

キーワード1H,1H,2H,2H-ペルフルオロデカノール / ペルフルオロオクタン酸 / 2H,2H-ペルフルオロノナデカン酸 / 2H,2H,3H,3H-ペルフルオロノナデカン酸 / 肝細胞内分布
研究概要

1H,1H,2H,2H-ペルフルオロデカノールを投与すると生体内でペルフルオロオクタン酸(PFOA)が生成し、肝臓のアシルCoAオキシダーゼ(AOX)が誘導される。しかし、生体内に残留するPFOA濃度が低いにもかかわらず強い誘導が生じることから、中間代謝物と考えられている2H,2H-ペルフルオロデカン酸(8-2テロマー酸)と2H,2H,3H,3H-ペルフルオロデカン酸(7-3テロマー酸)をマウスに投与して、その生体作用を解析した。8-2テロマー酸や7-3テロマー酸を投与すると、PFOAよりも高い用量で弱いながらも肝AOXを誘導した。8-2テロマー酸の作用は7-3テロマー酸より強かった。8-2テロマー酸を投与した場合、肝臓中からは微量のPFOAが検出された。肝臓中のPFOAと肝AOXの相関を調べたところ、テロマー酸を投与した揚合には肝臓中のPFOA濃度が低い割には肝AOX活性が高いことから、テロマー酸そのものもAOX誘導作用を持つ可能性が示唆された。8-2テロマー酸や7-3テロマー酸はそれ自身が弱い作用を有するとともに、一部がPFOAに代謝されて作用するものと考えられる。
生体内で微量に生成したPFOAは、主として肝臓中に蓄積する。肝細胞内におけるPFOAの分布には大きな性差が認められ、雌性ラットでは主として可溶性画分に、雄性ラットでは膜画分に見出された。雄ラットでは離乳時には雌型である細胞内分布様式が、成長とともに雄型へと変化した。雄性ラットを去勢すると、PFOAの肝細胞内分布様式は雌型となり、テストステロンを投与することによって雄型に戻ることから、性ホルモンによって調節される何らかの因子が、肝細胞内での今布様式を調節することが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 2H, 2H-perfluorodecanoic acid のマウスに対する影響2009

    • 著者名/発表者名
      鎌苅由華, 工藤なをみ, 川嶋洋一
    • 学会等名
      日本薬学会第129年会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2009-03-26
  • [学会発表] ペルフルオロオクタン酸の肝細胞内分布のホルモンによる調節2009

    • 著者名/発表者名
      畑幸江, 工藤なをみ, 川嶋洋一
    • 学会等名
      日本薬学会第129年会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2009-03-26

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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