研究課題
基盤研究(C)
下水汚泥の資源化と減量化を目的に、汚泥中に存在する自然の乳酸菌を利用して、余剰汚泥から乳酸を生成させると共に、汚泥そのものも減量されることを見出して研究を展開してきた。本研究は、分離・同定した下水汚泥分解菌と乳酸菌を使用して、余剰汚泥の溶解法の確立、溶解汚泥から乳酸の生成および汚泥溶解プロテアーゼの精製とその特性の解明などを研究目的とし、次の成果を得た。1.重量濃度25%の下水汚泥培地を使用した余剰汚泥を溶解する条件は、菌量約10^6cfu/mlの汚泥分解細菌Brevi-bacillus sp.KH3株の接種、温度50℃、48時間の振とう培養が最適であり、31.3%の汚泥減量化率を得た。2.新規な汚泥分解菌Bacillus sp.KH4株を分離・同定した。乳酸菌は、50℃の培養試料からLactobacillus acidophilus、L.delbrueckii subsp.delbrueckiiやL.lactis subsp.lactisなど、30℃の試料からL.plan-tarum、L.delb.delb.やL.pentosusなどを分離・同定した。3.余剰汚泥をKH3株とKH4株で5日間溶解したところ、タンパク質濃度では対照の約2.5倍、糖濃度では約2倍の上昇がみられた。その溶解汚泥の上清にショ糖50mMを添加し、Lactobacillus acidophilusで乳酸発酵を5日間行ったところ、対照と比較して約6〜9倍の乳酸生成に成功した。4.KH3株放出の約40kDaのセリンプロテアーゼは、phenyl-TOYOPEARLやDEAE Sepharose FFなどにより、単一バンドとして精製できた。さらに、このプロテアーゼは酵素活性と汚泥溶解率に相関性があり、汚泥溶解因子であることが判明した。
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