研究課題/領域番号 |
18510083
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 埼玉県環境科学国際センター |
研究代表者 |
石山 高 埼玉県環境科学国際センター, 水環境担当, 主任 (80297621)
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研究分担者 |
高橋 基之 埼玉県環境科学国際センター, 水環境担当, 主任研究員 (30415377)
八戸 昭一 埼玉県環境科学国際センター, 地質地盤騒音担当, 主任 (70415397)
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キーワード | 土壌・地下水汚水 / 環境 / 電気化学 / オンサイト分析 |
研究概要 |
ストリッピングボルタンメトリー(SV)によるヒ素化合物の化学形態別分析法を開発した。SV条件について検討した結果、電解液は1.2mol/L塩酸、前電解電位は-0.4V vs.Ag/AgCl、前電解時間は1〜5分が最適であった。最適条件下、ピーク面積で作成した亜ヒ酸(As(III))の検量線は、0.5〜20μg/Lで原点を通る直線となった。As(III)5μg/Lにおける相対標準偏差は約5%であり、精度面でも良好であった。As(III)0.2μg/Lの繰り返し測定から求めた検出限界は、電解時間5分で0.07μg/Lであり、水素化物発生ノ原子吸光分析法と同程度の感度が得られた。ヒ酸(As(V))は、チオ硫酸ナトリウムでAs(III)に還元してからSV測定した。チオ硫酸ナトリウムを使用したことにより、100%の還元率が得られた。試料溶液に還元剤を添加しても定量感度の低下は認められず、検量線は1〜20μg/Lで原点を通る直線となった。ヒ素のSVでは、銅、カドミウム、鉛などが妨害元素として作用したが、これらは陽イオン交換樹脂やキレート樹脂により分離除去可能であった。埼玉県中西部地域のオンサイト地下水汚染調査に開発した分析技術を適用したところ、複数の井戸で環境基準を超えるヒ素が検出された。化学形態分析の結果、地下水中のヒ素はほとんどAs(III)の形で存在することが明らかとなった。SVにより測定したヒ素濃度は、公定法の結果と概ね一致した。SVを適用したオンサイト分析は、固定電源を必要とせず、市販のバッテリーで2〜3日間、連続測定可能であった。1地点当たりの分析所要時間は約10分であり、簡便性及び迅速性の面でも優れていた。
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