研究課題/領域番号 |
18510083
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研究機関 | 埼玉県環境科学国際センター |
研究代表者 |
石山 高 埼玉県環境科学国際センター, 水環境担当, 主任 (80297621)
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研究分担者 |
高橋 基之 埼玉県環境科学国際センター, 水環境担当, 担当部長 (30415377)
八戸 昭一 埼玉県環境科学国際センター, 地質地盤・騒音担当, 専門研究員 (70415397)
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キーワード | 土壌・地下水汚染 / 環境 / 電気化学 / オンサイト分析 |
研究概要 |
地下水中には、様々な塩類の共存が想定される。そこで、本分析法の適用範囲の拡大を目的とし、ストリッピングボルタンメトリー(SV)における共存元素の影響及び妨害抑制法について検討した。 As(III)0.01mg/LのSV測定において、Al(III)、B(III)、Ba(II)、Ca(II)、Co(II)、Cr(III)、Fe(II、III)、K(I)、Mg(II)、Mn(II)、Na(I)、Ni(II)、Si(IV)、Sr(II)、Ti(IV)、V(V)、Zn(II)、アンモニウムイオン、硝酸イオン、炭酸イオン、フッ化物イオン、硫酸イオン及びリン酸イオンは50mg/L、Sn(II、IV)は10mg/L、亜硝酸イオンは5mg/L、Cr(VI)、Se(VI)、W(VI)、ヨウ化物イオン及び硫化物イオンは1mg/L、Mo(VI)は0.5mg/L、Ag(I)、Cd(II)、Se(IV)及びPb(II)は0.01mg/Lまで影響無かった。Sb(III)、Hg(II)、Cu(II)及びBi(III)は作用電極上に析出し易く、0.01mg/Lの共存でヒ素のピーク形状は大きく劣化した。 妨害元素による影響を抑制するため、ディスク型の陽イオン交換樹脂(充填量280mg)及びキレート樹脂(充填量280mg)を用いた前処理について検討した。無機元素の一定量を含む水溶液25mLを毎分6mL程度の速さで固相カートリッジに通水し、無機元素の除去率を測定した。無機元素を含む水溶液のpHを弱酸性から中性付近(pH3〜7)に調整した場合、1mg/LのCd(II)、Cu(II)、Pb(II)及びBi(III)は陽イオン交換樹脂及びキレート樹脂で98%以上、1mg/LのSb(III)及びHg(II)はキレート樹脂で90%以上、1mg/LのAg(I)はキレート樹脂で約50%回収できた。一方、0.01mg/LのAs(III)及びAs(V)は、同条件では陽イオン交換樹脂及びキレート樹脂に一切保持されなかった。これらの固相分離を操作に組み込むことにより、As(III)0.01mg/Lの定量において、Cd(II)、Cu(II)、Pb(II)及びBi(III)は1mg/L、Sb(III)は0.1mg/L、Ag(I)及びHg(II)は0.05mg/Lまで共存可能な許容濃度が増加した。
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