1.2.5L容ジャー培養によるバイオサーファクタント生産 前年度に実施した振盪フラスコ培養の結果に基づいて、Bacillus subtilis NT1株のジャー培養を行い、サーファクチン(リポペプチド型バイオサーファクタント)生産に及ぼす操作条件の影響を調べた。培養器は、2.5L容のジャーファーメンターを使用し、通気は、発泡を防ぐために表面通気法で行った。攪拌翼には、棒状インペラーと従来のタービン翼を用いた。菌体を含まない培養液を用いて測定した酸素移動容量係数の値がほぼ同じとなる通気撹拌条件で比較したところ、タービン翼よりも棒状インペラーの方がより多くのサーファクチンを生産することがわかった。棒状インペラーを用いて栄養培地で48時間培養した場合、撹拌速度1000rpmと通気量2vvmの条件で最大のサーファクチン生産量175mg/Lを示した。培地成分の影響については、栄養培地よりもCooperらが使用した培地を使用した方が、本菌株によるサーファクチンの生産量が多くなることがわかった。 2.10L容ジャー培養によるバイオサーファクタント生産 1で得られた結果に基づいて、消泡装置を備えた10L容のジャーファーメンターによるBacillus subtilis NT1株の培養を実施した。泡沫のサンプリングを行い、泡沫層にサーファクチンが濃縮することを確認した。また、この培養では発泡が激しく、ジャーファーメンターから泡が溢れないように48時間培養するためには、消泡装置の改良が必要であることがわかった。
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