研究概要 |
きわめて完全性の高い最密充填型コロイド結晶を作製することを目的に,1.単分散性の優れたコロイド粒子の合成,2.自己秩序的粒子配列を行い配列過程のその場観察および作製されたコロイド結晶の結晶性評価,3.レーザー光によるコロイド結晶の欠陥修復のための基礎検討を行った. 結果として,単分散性の高いポリスチレン微粒子を用いても,乾燥に伴う粒子の収縮のため,完全性の高いコロイド結晶を得ることは困難であった.しかし,次のような成果,知見を得ることができた. 1. 単分散性の優れたコロイド粒子の合成ガラス転移温度120℃以上を有し,かつ,世界トップレベルの単分散性の架橋ポリスチレン微粒子の合成に成功した. 2. 配列過程のその場観察および結品性評価(1)面内方向と濃厚方向の周期性を計測し,コロイド結晶の三次元構造を解析する新しい構造解析法を見出した.(2)乾燥に伴い形成されるストライプ構造が双晶構造に起因することを見出した. 3. レーザー光によるコロイド結晶の欠陥修復のための基礎検討最密充填構造を有しているが溶媒は完全に蒸発していない状態のコロイド結晶において,集光したレーザー光の光圧アニールによってコロイド結晶の欠陥修復さらには意図的欠陥導入の可能性を示すことができた. 本科研費課題と平行して検討してきた粒子をアクリルモノマー中に分散させた分散液からのコロイド結晶作製において,高い反射率を示す優れた結晶性のコロイド結晶濃が作製できるが見出せたが,この成果を得るのに本科研費課題で得た知見が大いに活かされた.
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