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2006 年度 実績報告書

エキゾチックなナノ超伝導体の新奇物性に関する理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18510090
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東北大学

研究代表者

海老澤 丕道  東北大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (90005439)

研究分担者 林 正彦  東北大学, 大学院情報科学研究科, 助教授 (60301040)
瀧澤 剛  東北大学, 大学院情報科学研究科, 技術補佐員 (80361161)
キーワードエキゾチック超伝導 / 高温超伝導 / 多重ジョセフソン接合 / 走査型SQUID顕微鏡 / トポロジカル結晶 / 位相欠陥 / ナノ超伝導体
研究概要

今年度はエキゾチックなナノ超伝導体の新奇物性開拓を目指し、いくつかの研究を進めた。
(1)d波超伝導の高温超伝導体に見られる多重ジョゼフソン接合系の数値シミュレーション
各接合の位相差の時間発展を記述する微分方程式を数値的に解いた。この方程式は従来からその振る舞いが十分に知られているsine-Gordon方程式とよく似ている。そのブリーザー・モード解に対応する解に注目して、この解の状態における電圧の発生および超伝導状態から抵抗状態への遷移を解析し、このモードが重要な役割を果たしている事を見出した。
(2)d波-s波(あるいはp波-s波)の超伝導体複合構造の研究において磁場分布を観測するための走査型SUID顕微鏡の画像解像度改善の研究
SQUID顕微鏡において画像の劣化をもたらす要因にはノイズおよびコイルが有限の大きさを持つこと、資料からの或る程度の距離だけ離れてしまうこと、などがある。これらを改善するため既に提案した数学的手法に関して、数値シミュレーションにより、また実験結果との比較により、有用性の検証を行った。画像全体においてノイズが増強されてしまうという現象を確認した。克服するための改良法は現在検討中である。
(3)幾何学的形状の効果の例たるリング状微少結晶の位相欠陥分布について
NbSe3等のリング状のトポロジカル結晶における位相欠陥の分布を、線形弾性論の範囲内で考察し、リングの周長と厚さの関係によって、いくつかの位相欠陥分布の状態が可能である事を明らかにした。1ミクロン以上の周長の結晶の場合、通常は位相欠陥はほぼ一様に分布すること、1ミクロン以下になると動径方向の弾性的結合が壊される状況も実現する事などが分かった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Vortex (particle) and antivortex (hole) doping into superconducting network2007

    • 著者名/発表者名
      T.Ishida, M.Shimizu, Y.Matsushima, M.Hayashi, H.Ebisawa, O.Sato, M.Kato, K.Satoh, T.Yotsuya
    • 雑誌名

      Physica C 出版決定(Accepted for publication)

  • [雑誌論文] Nonlinear Dynamics of Intrinsic Josephson Junctions under an Applied Current2007

    • 著者名/発表者名
      M.Hayashi, M.Suzuki, J.Ohnuki, H.Ebisawa
    • 雑誌名

      Physica C 出版決定(Accepted for publication)

  • [雑誌論文] Geometrically frustrated crystals : Elastic theory and dislocations2006

    • 著者名/発表者名
      M.Hayashi, H.Ebisawa, K.Kuboki
    • 雑誌名

      EUROPHYSICS LETTERS 76

      ページ: 264

  • [雑誌論文] Phase transition in superconducting network systems2006

    • 著者名/発表者名
      M.Hayashi, H.Ebisawa
    • 雑誌名

      Physica C 437-438

      ページ: 93

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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