研究課題
基盤研究(C)
光源と反応場の特徴を有効に組み合わせた光反応システム開発を目指し、光反応に用途を特化したマイクロリアクターを設計・製作した。微細空間内での光反応の効率、選択性と、流路径、流路長などのマイクロ空間の形状、光源の性質、照射の手法等の関連を調べ、高収率、高選択率反応システム実現のための研究開発を行った。マイクロリアクター設計にあたっては、顕微分光法による反応場の解析、および有限要素法を用いたCFD計算の手法を併用した。エキシマーレーザー、Nd:YAGレーザー励起OPOレーザー、さらに装置全体の小型化とフォトンコスト低減を果たすためUV-LEDを用いて実験を行い、微細な反応場の特性と反応速度、反応選択性を向上させる因子との関連を、光環化二量化反応、不斉増感反応、光触媒による酸化・還元、アルキル化などをモデル反応として精査した。不斉増感反応については、反応の立体選択性を低下させるような副反応の存在するような系で、マイクロフロー系の利用が顕著な効果を上げることを明らかにした。光二量化反応による高付加価値化合物の合成では、反応のメカニズムの解明とそれに基づいた反応条件の最適化にマイクロリアクターが有用であることを見出した。また光触媒担持マイクロリアクターを用いたアミンのN-アルキル化により、医薬品合成中間体として有用な化合物の一段階合成が可能なことを示した。また光触媒担持マイクロリアクターを用いて、犠牲還元剤等を添加しない水溶液中の二酸化炭素を処理すると、六電子還元によるメタノールがバッチ式マクロ反応容器を用いる従来法より三桁高い収率で得られた。光触媒を用いた二酸化炭素の還元、水の分解では、レイノルズ数の小さいマイクロ流路中で生成する気液固三相流を用いれば反応の効率を著しく高められ、また光触媒反応の逆反応抑制も可能となることが明らかとなった。
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