1.銀コートナノコーンアレイにおける蛍光増強度の検証 底面径250nm、高さ750nm、ピッチ250nmのPMMA(ポリメチルメタクリレート)製ナノコーンアレイ表面に銀を50nm液相でコートしてプラズモン媒体化し、表面にチオール基をもつ蛍光試薬を修飾して蛍光顕微鏡で落射照明して蛍光像を観測したところ、ナノコーンアレイ部分が平滑部と比較して50倍以上の非常に強い蛍光を示すことが明らかになった。金コートの場合には蛍光強度の増強は数倍に留まり、銀コートナノコーンアレイがファーフィールド光励起でプラズモン増強電場を発生する媒体として極めて優れていることが明らかになった。蛍光強度は液相銀コートの条件に対して極端に敏感であり、SEMによる観察では強い蛍光を示すものは表面が特徴的な形態を示すことが明らかになった。 2.マイクロ流路による蛍光免疫分析 マスクレス露光装置を用いて作製したポリジメチルシロキサン(PDMS)製のマイクロ流路で5mm角のナノコーンアレイ部分を覆って蛍光免疫分析用マイクロ流路とし、マイクロフローシステムを用いて抗体固定化試薬と抗IgG抗体の溶液を順次流し、抗体をマイクロプリズム表面に固定化した。蛍光顕微鏡下において、蛍光標識したIgG溶液をフローさせて蛍光強度を観測することにより、高感度かっ広い濃度範囲で免疫分析が可能であった。
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