研究課題
基盤研究(C)
固有ジョセフソン接合を層平行磁場下に置くと、磁束がロックインしているか否かに因り、磁束フロー電圧がON/OFFすることが知られている。典型的な固有ジョセフソン接合Bi-2212の場合、磁場の強度・磁場の層平行からのズレ角度・温度・その条件に至る履歴により、ロックインするか否かが決まり、パンケーキ磁束が独立した粒子の様に振る舞うと考えて定性的に理解されている。しかし、角度・温度・磁場強度を変化させて、ロックイン状態をON/OFFさせても実用的ではない。電流・電圧・光などのON/OFFで駆動させる必要がある。本研究では、異方性がBi-系よりも低く、必ずしも典型的な固有ジョセフソン接合とは言えない、Y-123系について、ロックイン現象の検討を行った。Y-123の単結晶としては、Te添加法で作製したウイスカーを用い、収束イオンビーム3次元加工により、S字型の固有ジョセフソン接合を作製した。Ar雰囲気アニールによる酸素量の調整により、Tc〜35K(異方性〜40)として、層平行近傍の磁場下、温度2-10Kの電流-電圧特性・磁束フロー抵抗の測定を行った。その結果、Bi-2212のような、角度・温度・磁場強度に依存するロックイン現象に加えて、10K以下の低温において、バイアス電流によるロックイン状態のスイッチング現象が見出され、パンケーキ磁束の消滅と生成、即ち、ロックイン状態をOFFするパンケーキ磁束の消去と書き込みが行われたと考えられる現象が見出された。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (7件)
Phys.Rev.B 74
ページ: 054502
Appl. Phys. Lett. 88
ページ: 063503
Appl. Phys. Lett. 89
ページ: 252506
Phys. Rev. B 73
ページ: 224519
セラミックス 41
ページ: 283
J. Phys. Chem. Solids 67
ページ: 365
ページ: 438