研究課題/領域番号 |
18510113
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
羽多野 毅 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノシステム機能センター, グループリーダー (50354337)
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研究分担者 |
王 華兵 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノシステム機能センター, 主幹研究員 (70421427)
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キーワード | 固有ジョセフソン接合 / ジョセテソン磁束 / ロックイン現象 / 不揮発性記憶 |
研究概要 |
層平行磁場下に置かれた固有ジョセブソン接合で、磁束のコアがCuO2面を横切ることなく結晶を貫いていると、コアが超伝導層を横切っていないため、接合電流によるローレンツカで接合間を高速で運動し、接合に磁束フロー電圧が発生することが知られている。典型的な固有ジョセブソン接合Bi-2212の場合、磁場の強度・磁揚の層平行からのズレ角度・温度・その条件に至る履歴により、ロックインするか否かが決まり、パンケーキ磁束が独立した粒子の様に振る舞うと考えて定性的に理解されている。しかし、角度・温度・磁場強度を変化させて、ロックイン状態をON/OFFさせても実用的ではない。電流・電圧・光などにより、ロックイン状態をON/OFFさせることができればデバイス応用に期待がかかる。本研究では、異方性がBi-系よりも低く、必ずしも典型的な固有ジョセブソン接合とは言えない、Y-123系について、ロックイン現象の検討を行った。Y-123の単結晶としては、 Te添加法で作製したウイスカーを用い、収束イオンビーム3次元加工により、S字型の固有ジョセブソン接合を作製した。Ar雰囲気アニールによる酸素量の調整により、Tc〜35K(異方性〜40)として、層平行近傍の磁場下、温度2-l0Kの電流-電圧特性・磁束フロー抵抗の測定を行った。その結果、Bi-2212のような、角度・温度・磁場強度に依存するロックイン現象に加えて、10K以下の低温において、バイアス電流によるロックイン状態のスイッチング現象が見出され、パンケーキ磁束の消滅と生成、即ち、ロックイン状態をOFFするパンケーキ磁束の消去と書き込みが行われたと考えられる現象を見出してきた。今年度は、このような書き込み・消去条件を詳細に調べ、かつ繰り返し読み出し再現性の確認を行い、不揮発性記憶動作を立証した。
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