研究概要 |
平成18年度においては,ユビキタス・サービスの現状分析と技術的な可能性を検証し,研究代表者等により得られたデータマイニングについての研究成果の総合を行うことが主たる目標であった.そのため,ユビキタス・サービスに迅速かつ柔軟に対応できるユビキタス・データマイニングの方法論の機能的側面について理論的に整理を行った.既存モデルと比較して,データ解析の高精度化とシステムの柔軟性の双方を同時に保証できる総合モデルを実現するのに必要な新しい手法として,特に,1クラスSVM (Support Vector Machine)に注目し,その数理最適化手法としての理論的側面のサーベイと整理を行った.その結果は,研究代表者が編集した日本オペレーションズ・リサーチ学会機関誌「オペレーションズ・リサーチ」の特集号「SVMの周辺:One-Class SVMと領域判別」(2006年11月号)としてまとめられた. さらに,総合モデルのシステム的な柔軟性を保証して,ユビキタス・サービスに俊敏に対応可能な分散データベースからの知識発見を可能とするため,モデルを複合的に組み合わせて適用するブースティング手法を適用した1クラスSVMの性能改善アルゴリズムを開発して,その一部成果を日本オペレーションズ・リサーチ学会2007年度春季研究発表会(2007年3月29日)で発表した.また,確率感度解析手法を適用した新しいブースティング手法を学術論文誌に投稿中である.
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