研究概要 |
平成18年度は当初の研究計画に従い次の3項目を実施した. (1)三次元移動対象物に対する作業適性評価方法および装置の開発 移動している対象物に対する目視検査と把持の速度と正確さを測定できる装置を開発した.本装置は,中高齢者の作業適性を測定することを目的としていることから,測定条件の変更,装置の移動と設置を容易に行えることが求められる.そこで,申請者が既に開発している人工現実感を用いた作業訓練装置を改良することにより,上記の機能を有する作業適性検査装置を開発した.中高齢者(被験者)は,データグローブを装着することにより,仮想空間内を移動する対象物の中から異物を目視で発見し,把持できる.異物の形状および移動速度は任意に設定できる.静止している対象物に対する中高齢者の作業適性は,国内で広く使用されている一般職業適性検査装置を用いて測定する. (2)作業適性検査の実施 上記(1)に示した2種類の作業適性検査を既に働いている中高齢者に対して実施した.岡山県内の高齢化が進行している地域にある食品製造企業に勤める中高齢者を被験者とした.次に,測定データを基に,作業適性と実際の職務内容との関係をデータベース化した.そして,このデータベースを用いて,新たに活用したいと考える中高齢者に対して職務を選定するために活用できるようにした.また,平成19年度は外国(中国)の事務機器製造企業1社をモデルケースとして作業特性を測定する計画である.そのための予備調査を平成18年度に行い被験者の選定,測定実験スケジュールなどを設定した. (3)作業工程設計/作業訓練支援装置の改良 申請者は,既に人工現実感を用いて作業工程の設計および作業訓練を行える装置を開発している。本装置は固定式である。そこで,実際の製造企業において本装置を活用できるように、本装置を移動可能な軽量型に改良した。
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