研究概要 |
本研究では,多品種の製品を扱う生産システムにおいて,需要の非定常な変化に対して,生産システムのパラメータや構成を状況に応じて制御する,再構成可能生産システムに対してその機動的管理方式を開発することで,マスカスタマイゼーションの実現を目指す.そのため,平成18年度では,多品種多段階生産システムにおいて,総需要量そのものは安定しているとして,需要比の変化に対する検知・調整機能を持つ再構成可能生産システムの機動的管理方式について,以下の計画・方法により進めた. (a)対象とする多品種多段階生産システムの検討:待ち行列理論に関する研究や,米国における再構成可能生産システムに関する研究の調査をもとに,動的に制御可能なパラメータを持つ多品種・多段階生産システムのモデルを構築した. (b)需要量比の影響分析と工程編成方式の検討:構築した生産システムモデルのシミュレータにより,候補となる工程編成の下で需要比の影響を実験的に分析し,需要比の変化に対する工程編成の方式について検討した. (c)需要量比変化に対する検知・調整方式の開発:続いて,需要量比の非定常な変化の検知機能と,生産システムの工程編成の調整機能を開発する.上の(b)で明らかにした需要量比に応じた工程編成が生産システムの特性に与える影響から,需要量比の変化に対する工程編成の調整方式を開発した. (d)需要量比変化とその検知・調整機能を持つ生産システムシミュレータの開発:開発した需要量比に対する検知・調整方式を基に,需要量比変化とその検知・調整機能を持つ生産システムシミュレータを開発する.申請者らのこれまでの研究の成果をもとに,多品種多段階生産在庫システムおよびその生産管理システムを,物と情報の待ち行列ネットワークで表現し,モデルを構築し,そのモデルから生産システムシミュレータを開発した.
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