研究概要 |
本年度の計画では,各製品の需要量比と同時に総需要量の変化に対する機動的管理として,平成19年度に開発した総需要量・需要量比の変化とそれらの検知・調整方式について,そのために開発した生産システムシミュレータにより実験的評価を行い,その結果について検討する.また,研究機関最終年度ということで,研究成果としてまとめ,学会発表などにより,他の研究者の評価を受けることで客観的な評価となるようにする予定を立てたと同時に,評価の結果,開発した機動的管理方式により十分な効果が得られない場合には,開発した機動的管理方式の改良を行うことも考えておいた.検討により,総需要量の変化を考慮する前に、各製品の需要量比の変化に対して,これまでの生産ラインを前提としてその工程編成により対応する方式のみならず,生産品種に対して生産セルを構成したセル生産方式を採用し,需要量比の変化に対応してセル構成の変更により対応する適応型セル生産システムについて検討することが有望であることが明らかとなった.セル生産方式,特に需要変動への対応について取り上げている文献調査を行い,将来の需要が既知の場合にセル構成の変更計画を最適化することを目的とした研究はいくつか見られるものの,不確実な需要変動の下で,需要変動によりセル構成を変更する適応能力を持った適応型セル生産システムについて研究が見当たらないことを確認し,適応型セル生産システムのモデル構築と,評価実験を行い,有効性を明らかにした.
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