研究概要 |
本年度は非線形0-1計画問題に焦点をあて,生物群最適化手法の改良を行ろた. 1.生物群最適化手法の改良: 平成18,19年度の研究によって,決定変数が連続値をとる非凸非線形計画問題に対して有効な生物群最適化手法及び決定変数が離散値をとる非凸非線形整数計画問題に対して有効な生物群最適化手法が提案されているので,本年度は,決定変数がより強い離散性をもつ0-1計画問題に焦点をあてた.0-1計画問題では,すべての解が境界上にあるため,生物群最適化手法の各手順において次のような考察が必要となった. (1)決定変数が0-1の場合においても,効率的に実行可能な初期個体を生成できる方法を検討し,新しい初期個体の生成方法を提案した. (2)0-1計画問題では,すべての解が境界上にあるため,通常の移動では解が停留しやすい.そこで,停留を防ぐために,局所探索に基づく解の移動について検討し,新しい解の移動方法を提案した. (3)0-1計画問題では,局所探索に基づく解の移動を導入した場合,大域的探索能力の低下がみられたため,解の定在頻度などに基づく多様化技術を導入した. 2.改良された生物群最適化手法のコード化: 上記の2.で考案された改良型生物群最適化手法のアルゴリズムを電子計算機上で実行可能となるようにコード化した. 3.数値例を用いたシミュレーションによる有効性の検討: 本研究で考案された新しい生物群最適化手法を,さまざまなタイプの非線形0-1計画問題の数値例に適用し,有効性・問題点について考察した.
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