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2006 年度 実績報告書

不完全情報下における最小待ち行列選択モデルの性能評価

研究課題

研究課題/領域番号 18510135
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京理科大学

研究代表者

宮沢 政清  東京理科大学, 理工学部, 教授 (80110948)

キーワード国際研究者交流 / カナダ:米国 / 待ち行列モデル / 複数待ち行列のバランス / 最小待ち行列の選択 / 待ち人数の定常分布 / 分布の裾の漸近特性 / マルコフ加法過程
研究概要

本研究の目的は,不完全情報下において到着客が短い待ち行列を選択するモデルについて、待ち行列長の定常分布の特性を分布の裾に注目して解明することである.関連した研究に到着客が最小の待ち行列を選ぶモデルがあり、待ち行列が2つの場合には定常分布の裾の漸近的な特性が研究されてきた。しかし、待ち行列情報が不完全な場合には、どのような状況で客の選択が待ち行列長をバランスさせるのか、よくわかっていない。本年度はこの点に注目した研究を待ち行列が2つの場合に行うと共に、待ち行列が3本で最小待ち行列を選ぶことができるモデルに対して数値実験を行い、以下の研究成果を上げることができた。
1.2つの待ち行列の長さの差に注目し、行列長に比べて無視できる程に小さいことを表す、弱バランスと強バランスという2つの概念を定義し、2つの待ち行列が漸近的にバランスすることを数学的に表現した。
2.一般に待ち行列長の差は最小待ち行列長と比較して、分布の裾の漸近的特性を求めることが困難である。これは待ち行列長の差は小さく境界条件の影響を受けやすいためである。本研究では反射型マルコフ加法過程によるモデル化を行ったが、従来の漸近特性を調べるための十分条件が適用できない。そこで境界の影響を取り入れた新しい条件を求めた。
3.上記の条件を使って、弱バランスと強バランスが成り立つための条件を求めた。
4.特に、強バランスが成り立つ場合に、ある弱い条件の下で待ち行列長の差の分布の裾が幾何的に減少することを証明した。
5.待ち行列が3本の最小待ち行列選択モデルの近似的数値計算プログラムを作成した。これを使い分布の裾の減少率が理論的な予想値と一致することを数値的に確かめた。
なお、1から4はHui Li, Yiqiang Zhaoとの国際共同研究であり、共著論文としてStochastic Modelsに採択された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Decay rate for a PH/M/2 queue with shortest queue discipline2006

    • 著者名/発表者名
      Y.Sakuma, M.Miyazawa, Y.Q.Zhao
    • 雑誌名

      Queueing Systems 53号

      ページ: 189-201

  • [雑誌論文] A queueing model for local traffics to join a main stream under a leading space condition2006

    • 著者名/発表者名
      S.Mizuno, Y.Sakuma, M.Miyazawa
    • 雑誌名

      Journal of Operations Research Society of Japan 49号4巻

      ページ: 329-331

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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