研究概要 |
平成18年度の研究実績の一つ目として,消耗品ビジネスモデルに対する取り組みがあげられる.消耗品ビジネスモデルとは,プリンタとインクのように,システム本体の価格を抑える代わりに,消耗品としての交換部品の価格を高く設定したビジネスモデルである.そこでは,こうした消耗品ビジネスが成立するような市場構造の解明と最適価格戦略のモデル構築に着手しており,その成果は日本オペレーションズ・リサーチ学会などで公表している(三道,小出). 一方収益管理を意識した生産管理としては,プロジェクトにゆとりを盛り込ませることで,トータルでのプロジェクト費用を抑制することを提案し,その研究成果は平成19年度にシステム/制御/情報に掲載されることになっている(諏訪,三道).これは製品の納期と価格を組み合わせることで,収益管理を行うことが狙いである. またマルチエージェントによる消費者購買行動モデル構築の試みの副産物として,マルチエージェントを用いて為替相場の変動を表現するモデル構築にも着手し,これも日本オペレーションズ・リサーチ学会などで公表した(木庭,小出,三道).これは投資家と各種証券との関係をモデル化することで証券における収益管理へと発展させることを意図したものである. さらに卸売り業者-小売業者-消費者間の関係を考慮した上で,卸売りの収益管理,小売業の収益管理のあり方についても研究を行い,その成果も日本オペレーションズ・リサーチ学会で発表した(川勝,三道).
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