研究概要 |
わが国自動車製造業がASEAN諸国に構築した自動車部品相互補完システムをモデルに,研究目的に掲げた,以下のことを明らかにした. 1.構成品・部品を効率よく輸送するために,物流拠点を利用した巡回混載型輸送モデルを構築して,総輸送リードタイム及び輸送量の最大値を最小化する輸送経路を選択する方法を明らかにした.また,選択された輸送経路で構成品・部品を輸送する場合の所要輸送機器数,輸送間隔を求め,基本的な輸送スケジュールを作成する方法を示した. 2.ASEAN域内のみならず,域外への輸出も考慮した販売・生産・在庫・輸送システムを数式モデルに定式化し,サプライチェーンマネジメントの観点から,総輸送リードタイム及び輸送量の最大値を最小化する輸送経路を選択する方法を明らかにし、数値実験による実証的研究を試みた.併せて,輸送リードタイムの短縮等,管理技術の向上により得られる効果について考察した. 3.自動車産業のサプライチェーンマネジメントの観点から,サプライヤー,メーカー,ディーラー間のものの流れを統合的に考慮した新しい投入順序決定方法を考察した. 4.得られた研究成果を,大学院生を含めた共同研究者と共著で,国内外の学会で発表すると共に,査読付き学術雑誌に投稿して受理され、掲載された。 なお,2008年秋のリーマンショックに端を発する米国金融危機が,世界中の波及し自動車産業に多大の影響を与えているので,自動車部品相互補完システムに関する研究を継続する必要がある.
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