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2006 年度 実績報告書

吹雪の発生・発達に関わる削剥過程の解明とそのパラメタリゼーション

研究課題

研究課題/領域番号 18510166
研究種目

基盤研究(C)

研究機関独立行政法人防災科学技術研究所

研究代表者

佐藤 威  独立行政法人防災科学技術研究所, 雪氷防災研究センター, 研究員 (30142920)

研究分担者 小杉 健二  独立行政法人防災科学技術研究所, 雪氷防災研究センター, 研究員 (40425509)
西村 浩一  新潟大学, 自然科学系, 教授 (10180639)
根本 征樹  独立行政法人防災科学技術研究所, 雪氷防災研究センター, 特別研究員 (30425516)
鳥田 宏行  北海道立林業試験場, 森林環境部, 研究職員 (50414264)
キーワード自然現象観測・予測 / 自然災害 / 吹雪 / 雪氷災害 / 雪氷学
研究概要

積雪面の削剥率を直接測定する風洞実験を行った。この実験では、風洞底面に雪を敷き詰め、その一部に雪を入れたトレイを埋め込み、風洞内に発生させた吹雪中に一定時間曝露した後に、その重量変化を測定し削剥率E(Aerodynamic Entrainmentによる削剥率E_<AE>とSplash Entrainmentによる削剥率E_<SE>の和)を求めた。この結果、Eは吹雪量と飛雪粒子の平均跳躍距離の比(近似的に積雪面に落下する質量フラックスGに等しい)に比例することが示された。また、その比例係数をFE(削剥係数)として、その風速依存性も明らかにした。さらに、トレイと周囲がともにほぐしたしまり雪の場合の削剥率EはAnderson and Haffにより提案されたExcesss tress ruleの仮定に基づき計算される恥よりかなり小さく、この仮定を再検討する必要があることが明らかとなった。
降雪を伴う吹雪の場合には、降雪片が雪面に衝突する際にも削剥が生じると考えられるが、衝突時の降雪片の破壊・堆積過程について風洞実験と野外観測の結果を解析した。その結果、高度1mの風速U_1が2ms^<-1>以下であれば、降雪片はそのまま積雪面に堆積するが2ms^<-1>〜5ms^<-1>で降雪片は部分的に破壊し、5ms^<-1>を超えると粉々に破壊することが明らかとなった。また5ms^<-1>以上ではそのような粉砕された粒子は飛雪粒子となり、風下へ流されていくことも明らかとなった。これらよりU_1が5ms^<-1>(衝突臨界風速に近い)以上の場合は、降雪片が積雪面に衝突することにより飛雪粒子へ変化し吹雪の発達を促すと考えることができ、雪片による削剥も十分考えられることが明らかとなった。
吹雪による削剥に伴い吹雪が発達する過程を北海道新得町において観測したが、計画した新雪面ではなく、やや硬い雪面でかつ風速があまり強くない場合のデータを取得した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 吹雪変動のヒステリシスに関する実験的研究2006

    • 著者名/発表者名
      根本征樹, 佐藤威, 望月重人
    • 雑誌名

      東北の雪と生活 21

      ページ: 5-8

  • [雑誌論文] Fracture and accumulation conditions of snowflakes on the snow surface2006

    • 著者名/発表者名
      T.Sato, K.Kosugi, S.Mochizuki, M.Nemoto
    • 雑誌名

      Proceedings of ISSW 2006

      ページ: 203-210

  • [雑誌論文] 吹雪浮遊層の濃度分布と粒子落下速度の関係に関する数値実験2006

    • 著者名/発表者名
      根本征樹, 佐藤威, 西村浩一
    • 雑誌名

      寒地技術論文・報告集 22

      ページ: 72-75

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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