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2008 年度 実績報告書

吹雪の発生・発達に関わる削剥過程の解明とそのパラメタリゼーション

研究課題

研究課題/領域番号 18510166
研究機関独立行政法人防災科学技術研究所

研究代表者

佐藤 威  独立行政法人防災科学技術研究所, 雪氷防災研究センター新庄支所, 支所長 (30142920)

キーワード自然現象観測・予測 / 自然災害 / 吹雪 / 雪氷災害 / 雪氷学
研究概要

吹雪による雪面の削剥率を直接測定する風洞実験を行った。この実験では、風洞底面に雪を敷き詰め、その一部にほぐしたしまり雪を入れた20cm×20cmのトレイを埋め込み、風上より吹雪粒子を供給して発生させた吹雪中に一定時間曝露した後に、トレイ内の雪の重量変化を測定して削剥率を求めた。本年度は特に削剥率の温度依存性を明らかにするため、雪温を-15℃〜-2℃の間で変化させて実験を行った。なお、トレイ周囲の雪面は、雪粒子同士の結合がない軟雪と結合が強固な硬雪の2種類を対象とした。
この結果、周囲が軟雪の場合で温度を固定したときには、削剥率は風速とともにほぼ直線的に増大すること、ならびに周囲が硬雪の場合で風速を固定したときには、削剥率は雪温が-10℃以上において0℃に近づくとともに低下することを明らかにした。この温度依存性の理由について検討するために、雪粒子の反発係数の温度依存性の把握と跳躍粒子の速度の測定を行った。
従来は、削剥の素過程である風による粒子の取込過程や粒子の衝突によるスプラッシュ過程削剥の研究は雪粒子の結合がない場合を対象として行われてきた。しかし、現実の雪面は、雪粒子同士の結合や付着があるために、削剥率はそれらの影響を受け低下する。本研究で得られた知見により、雪面条件を硬度で表すとともに、雪温をパラメータとして削剥率を定式化することを可能とするものであり、吹雪の発達を記述する際の下端の境界条件として用いることが出来、吹雪モデルの高度化に寄与するものである。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 吹雪による積雪面の削剥現象に関する風洞実験(その2)2008

    • 著者名/発表者名
      佐藤威, 杉浦幸之助, 小杉健二, 根本征樹, 望月重人
    • 雑誌名

      東北の雪と生活 23

      ページ: 107-108

  • [雑誌論文] 降雪時における吹雪跳躍層の内部構造に関する研究2008

    • 著者名/発表者名
      根本征樹, 佐藤威, 小杉健二, 望月重人
    • 雑誌名

      寒地技術論文・報告集 24

      ページ: 63-65

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 吹雪跳躍粒子による積雪面の削剥過程について2008

    • 著者名/発表者名
      佐藤威, 杉浦幸之助, 小杉健二, 根本征樹, 望月重人
    • 雑誌名

      寒地技術論文・報告集 24

      ページ: 78-82

    • 査読あり
  • [学会発表] 吹雪跳躍粒子による積雪面の削剥過程について2008

    • 著者名/発表者名
      佐藤威、杉浦幸之助、小杉健二、根本征樹、望月重人
    • 学会等名
      寒地技術シンポジウム
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2008-11-26
  • [学会発表] 降雪時における吹雪跳躍層の内部構造に関する研究2008

    • 著者名/発表者名
      根本征樹, 佐藤威, 小杉健二, 望月重人
    • 学会等名
      寒地技術シンポジウム
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2008-11-26
  • [学会発表] 風洞内の吹雪量分布について-雪面における横方向への雪粒子反発・射出の影響-2008

    • 著者名/発表者名
      佐藤威, 小杉健二, 根本征樹, 望月重人
    • 学会等名
      雪氷研究大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-09-26
  • [学会発表] 吹雪による積雪面の削剥現象に関する風洞実験(その2)2008

    • 著者名/発表者名
      佐藤威, 杉浦幸之助, 小杉健二, 根本征樹, 望月重人
    • 学会等名
      日本雪氷学会東北支部研究発表会
    • 発表場所
      新庄
    • 年月日
      2008-05-17

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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