研究課題/領域番号 |
18510169
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大和 勝幸 京都大学, 生命科学研究科, 助手 (50293915)
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研究分担者 |
河内 孝之 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (40202056)
福澤 秀哉 京都大学, 生命科学研究科, 助教授 (30183924)
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キーワード | 性染色体 / 半数体 / 生殖 / 進化 / コケ植物 |
研究概要 |
これまでに見いだしたゼニゴケY染色体上の遺伝子群のうち、雄ゲノムにのみ存在し、かつ雄生殖器官のみで発現している14個を「雄の生殖機能に必要な遺伝子」の候補とし、機能解析を実施した。 まず、上述の雄生殖器官のみで発現している14個の候補遺伝子について、転写産物の配列情報を得るためにRACE法を実施した。M2D3.5遺伝子を除く13遺伝子についてはそれらのほぼ全長と思われる転写産物の塩基配列を得た。M2D3.5遺伝子はY染色体特異的反復配列が蓄積する領域に存在し、それ自身もマルチコピー遺伝子として存在する。この遺伝子がコードするRINGフィンガーモチーフの上流域は、cDNA間でのバリエーションが大きく、主要な転写産物を同定することができなかった。cDNA配列が得られた遺伝子についてはゲノム配列と比較し、それぞれのプロモーター領域を推定した。 次に、GFPをレポーターとするタンパク質局在解析を試みた。これまでゼニゴケではGFPを用いたタンパク質の局在解析の報告がなかったため、GFP発現のための条件検討を行った。まず、他の植物種で実績のあるsGFPをカリフラワーモザイクウイルス35Sプロモーターおよびノパリンシンターゼターミネーターの間に組み込んだコンストラクトを作成した。これをパーティクル・ボンバードメント法でゼニゴケ葉状体に一過的に導入したところ、sGFPの発光を認めた。しかし、同じくパーティクル・ボンバードメント法で安定形質転換を試みたが、恒常的にsGFPを発現させている固体は得られなかった。小胞体局在が予測される脂肪酸不飽和化酵素にsGFPを融合したコンストラクトでも形質転換を試みたが、sGFPの発現は認められなかった。今後用いるGFP配列やプロモーター、あるいはタグの利用を検討する。
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