研究課題/領域番号 |
18510177
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
ROBERT Martin 慶應義塾大学, 大学院・政策・メディア研究科, 講師 (90365487)
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研究分担者 |
斉藤 菜摘 慶應義塾大学, 大学院・政策メディア研究科, 講師 (50287546)
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キーワード | プロテオーム / メタボローム / 機能ゲノミックス / 分析科学 / 酵素 / バイォテクノロジー / ゲノム |
研究概要 |
計画のように、メタボライトプロファイリングの手法を基盤として、新たな酵素のスクリーニングを引き続き行った。特に、今年度は初年度のスクリーニングで見つけた新たなデヒドロゲナーゼ活性をもつ酵素について詳細な特徴解析を行い、機能を明らかにした。対象酵素は、アルデヒド化合物をアルコール性化合物に還元する活性を示し、in vitroでは、NADHを電子供与体としてsuccinic semialdehydeやmethylglyoxalのような短鎖アルデヒド化合物に対する基質特異性を示した。また、反応は可逆反応であることも確認できた。 酵素の生理学的な機能を明らかとするために現在解析を行っている。これまでに、酵素遺伝子の欠損株、過剰発現、および野生株大腸菌の細胞内メタボロームの比較解析を行い、過剰発現株では酸化ストレス応答に関与する代謝経路やTCAサイクルの代謝物質群に変動が認められている。 また、スクリーニンングによる酵素同定の効率を上げるため、対象を絞ったアプローチも開始した。反応を司る酵素が同定されていないにもかかわらず、その反応が起こった場合に生じる代謝物質が大腸菌細胞内に存在する場合、対応する酵素が存在すると推定される。このような"missing enzyme"の候補タンパク質を同じクラスの酵素タンパク質のアミノ酸配列との比較や遺伝子発現データベースから抽出した。これまでの調査で該当した候補タンパク質10個について精製を行い、よりシンプルな組成にしたメタボライト混合物を基質として活性の確認を行っている。
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