研究課題
基盤研究(C)
1.発光酵素の律速段階の確定と定量的な検証ホタル発光酵素は2つの作用ポケットAMP化(基質活性化):A pocketと発光(酸素化):O pocketを有している。種々の検討を行い、2つの反応のうち基質活性化が「律速段階」であることを明確かつ定量的に実証した。2.活性化発光基質による活性化段階制御基質活性化ポケットの機能を「認識」と「反応」の作用ステップに区分して、「律速ステップ要因」について検討を行った。A pocketの制御ポイントとして以下の結果を得るに至った。(1)不斉認識より構造認識が支配的である。(2)AMP化部位付近を嵩高くした基質では、発光活性が著しく(4桁)低下する。(3)修飾を加え発光活性が低下した基質アナログも、合成的にAMP化すると発光活性が著しく向上する。(4)人為的なAMP化基質は発光活性こそ向上するが、発光が定常化しない「釣り鐘型発光」であった。これを定常化する新規技術を開発した。3.ホタル生物発光系によるRGB発光材料の達成ホタル生物発光系における発光波長改変技術は長年の課題であった。そこで発光基質からの発光波長改変を目指し、発光基質アナログをデザインし、発光測定を行ったところ、これまでの技術では達し得なかった赤、緑、赤(450,560,680nm)の発光を創ることに、世界で初めて成功した。4.発光波長制御技術の確立と指標化の端緒を開拓世界的にも発光波長改変指標は、長年求められていた。本研究成果より、以下の指標仮説が提案できる。(1)二重結合を1つ伸長すると発光波長が100nm程度赤色シフトする。(2)同一構造であれば、特定の官能基変換により発光波長が20〜30nmシフトできる。(3)同系統の化合物であれば、二重結合を修飾することにより、発光波長を20〜30nmシフトできる。今後は上記仮説を確立すべく、研究を継続して行きたい。
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