研究課題
基盤研究(C)
植物は香る。一般にその香りは、昆虫など動物に対するシグナルであると考えられてきた。しかし植物は自らの香りによって、アポトーシスを引き起こす。この事実は植物自身が香りの受容体(鼻)を持っていることに他ならない。本研究では,植物の香りのうちモノテルペノイドを取り上げ、その受容機構を1)『香り受容体』を単離・同定し、2)『香り受容体』の生体膜上のトポロジー解析を行う。また、3)『香り受容体』から香りが細胞内ヘシグナルとなって伝達する機構を解明し、4)もし、植物の『香り受容体』が働かない(植物の『鼻』がつまったら)植物にとってどのような不都合が生じるかについて調べる。1)および2)については『香り受容体』を植物の細胞膜から単離・精製し,これをMALDI-TOF型の質量分析装置により構造解析を行なった。その結果,『香り受容体』はABCトランスポータータンパク質である可能性が高いことが明らかになった。3)については、『香り受容体』と相互作用する蛋白質をクロスリンカーを用いて共有結合させた後、結合蛋白質をプロテオームの手法を用いて網羅的に解析した。その結果,5種類の『香り受容体』と結合するタンパク質が得られた。現在,クロスリンカーの濃度を変えて,『香り受容体』との結合が特異的であるのかどうかを明らかにしている。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (6件)
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