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2006 年度 実績報告書

キノン縮合及び酸化還元不均化を鍵反応とする酸化型二次ポリフェノール生成機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 18510189
研究種目

基盤研究(C)

研究機関長崎大学

研究代表者

田中 隆  長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (90171769)

キーワード食品 / ポリフェノール / 紅茶 / 酸化 / カテキン
研究概要

ポリフェノール類の内、現在までに茶カテキンの酸化機構について下記の知見が得られた。
1.ポリフェノールオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、チロシナーゼなどさまざまな酵素によるカテキン酸化を行った結果、いずれの酵素においても酸化機構が類似しており、まずキノンが生成し、それが非酵素的反応で二量化することが分かった。
2.ポリフェノールの1種であるフロレチン配糖体はナシポリフェノール酸化酵素によりヒドロキシル化されることが分かった。さらに反応液中にエピガロカテキンが共存するとヒドロキシルされた芳香環がキノンに酸化された後、新規ベンゾトロポロン系色素を形成することが明らかとなり、新しい機能性色素製造法として期待される。
3.茶カテキンの7割を占めるエピガロカテキン類の酸化的二量化反応では主にデヒドロテアシネンシン類とプロエピテアフラガリンが生成し、されにそれらが分解して紅茶ポリフェノールが生成することを明らかにした。
4.茶カテキンの二位の立体配置、2,3位のシストランス配置が酸化反応経路を左右することを明らかにした。
5.茶カテキンではB環が速く酸化されるのに対してガロイル基の酸化はきわめて遅い。しかし、量は少ないもののガロイル基が酸化されてデヒドロテアシネンシン型の中間体を経てカテキン3量体を形成していることを始めて明らかにした。このことは茶カテキンからのポリマー生成機構解明の端緒となる結果である。
6.紅茶から強いリパーゼ阻害及びアミラーゼ阻害活性を示す成分を分離し、化学的に分析した。分子量、酸加水分解などの結果から、カテキン類が酸化重合した物質と考えられる。
7.プロシアニジン酸化機構の解明のため、プロシアニジンB-1の合成といくつかの予備実験を行った。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Oxidative coupling of the pyrogallol B-ring with a galloyl group during enzymatic oxidation of epigallocatechin 3-O-gallate2007

    • 著者名/発表者名
      Li, Yan
    • 雑誌名

      Phytochemistry (In press 07/02/02)

  • [雑誌論文] α-Glucosidase Inhibitory Profile of Catechins and Theaflavins2007

    • 著者名/発表者名
      Matsui, Toshirou
    • 雑誌名

      J.Agric.Food Chem. 55・1

      ページ: 99-105

  • [雑誌論文] A new mechanism for oxidation of epigallocatechin and production of benzotropolone pigments2006

    • 著者名/発表者名
      Matsuo, Yousuke
    • 雑誌名

      Tetrahedron 62・20

      ページ: 4774-4783

  • [雑誌論文] Antibacterial Spectrum of Plant Polyphenols and Extracts Depending upon Hydroxyphenyl Structure2006

    • 著者名/発表者名
      Taguri, Toshitugu
    • 雑誌名

      Biol.Pharm.Bull. 29・11

      ページ: 2226-2235

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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