上皮ー間質相互作用を制御する低分子化合物の探索

2006 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 18510199
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 研究機関: (財)微生物化学研究会
• 研究代表者: 川田 学 (財)微生物化学研究会, 微生物化学研究センター・沼津創薬医科学研究所・創薬基盤研究ユニット, ユニット長 (20300808)
• 研究分担者: 荒川 正行 財団法人微生物化学研究会, 微生物科学研究センター・沼津創薬医科学研究所・創薬基盤研究ユニット, 研究員 (90398868)
• キーワード: 抗生物質 / 生理活性 / 天然化合物

研究概要

1.前立腺上皮癌細胞と前立腺間質細胞の共培養実験系
放線菌やカビなどの徴生物培養液を用いて、ヒト前立腺癌細胞とヒト前立腺間質細胞の共培養で、間質細胞によって促進される癌細胞の増殖を阻害する物質を探索した。その結果、いくつかの培養液に活性を見いだした。今後、さらに探索を継続し、活性物質の単離・精製を行なう。
2.血管新生因子angiogeninの産生制御実験系
1と同様に放線菌やカビなどの微生物培義肢を用いて、ヒト前立腺癌細胞のangiogeninの産生を阻害する物質を探索した。その結果、カビ培養液に活性を見いだし、活性物質の単離・精製を行なった。現在、活性物質の構造を解折中である。
3.胃癌腹膜播種モデルの実験系の構築
新たな上皮-間質相互作用を制御する低分子化合物の探索系として胃癌腹膜播種モデルを利用した実験系を構築するために、先ずマウスを用いた胃癌腹膜播種モデルの実験を行なった。蛍光タンパクGFP遺伝子を導入した各種ヒト胃癌細胞株をヌードマウスの腹腔内に移植し、腹腔内の腫瘍の生育をGFPの蛍光イメージングによって測定した。その結果、いくつかの胃癌細胞株が高率に腹腔内に転移結節を形成することが分かった。今後、この高率に転移結節を形成する胃癌細胞株を用いて、新たな探索系を構築する。

研究成果

• [雑誌論文] Antitumor effect of kigamicin D on mouse tumor models. (2006)
  • 著者名/発表者名: Masuda, T., Ohba, S., Kawada, M., Osono, M., Ikeda, D., Esumi, H., Kunimoto, S.
  • 雑誌名: J. Antibiot. 59 ページ: 209-214
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [雑誌論文] Inhibitory activity of the hypoxia-induced factor-1 pathway by tartrolone C. (2006)
  • 著者名/発表者名: Yamazaki, Y., Someno, T., Minamiguchi, K., Kawada, M., Momose, I., Kinoshita, N., Doi, H., Ikeda, D.
  • 雑誌名: J. Antibiot. 59 ページ: 693-697
• [雑誌論文] Augmentation of cellular immunity by kigamicin D. (2006)
  • 著者名/発表者名: Masuda, T., Ohba, S., Kawada, M., Iijima, M., Inoue, H., Osono, M., Ikeda, D., Kunimoto, S.
  • 雑誌名: J. Antibiot. 59 ページ: 215-219
• [雑誌論文] Insulin-like growth factor-I secreted from prostate stromal cells mediates tumor-stromal cell interactions of the prostate cancer. (2006)
  • 著者名/発表者名: Kawada, M., Inoue, H., Masuda, T., Ikeda, D.
  • 雑誌名: Cancer Res. 66 ページ: 4419-4415
• [雑誌論文] Establishment of a highly tumorigenic LNCaP cell line having inflammatory cytokine resistance. (2006)
  • 著者名/発表者名: Kawada, M., Inoue, H., Usami, I., Takamoto, K., Masuda, T., Yamazaki, Y, Ikeda, D.
  • 雑誌名: Cancer Lett. 242 ページ: 46-52