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2008 年度 実績報告書

近畿における雑種タンポポの形成・拡大過程の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18510204
研究機関大阪市立大学

研究代表者

伊東 明  大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (40274344)

研究分担者 名波 哲  大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (70326247)
キーワード雑種タンポポ / 移入種 / 保全 / 発芽 / 遺伝子汚染 / 外来生物 / 植物 / 生態学
研究概要

近畿における雑種タンポポの形成・拡大過程を解明する目的で以下の調査を行った。
1.近畿におけるアカミタンポポの雑種比率と分布を把握するため、「タンポポ調査・近畿2005」で収集されたアカミタンポポの痩果を用いて雑種解析を行った。その結果、アカミタンポポの雑種比率は、大阪府で26.0%、三重県で18.3%であった。こらの値は、セィヨウタンポポの雑種比率(近畿金体の平均で70.4%)よりずっと小さく、近畿では今のところアカミタンポポの雑種はあまり広がっていないことが示された。
2.カンサイタンポポとセイヨウタンポポ、及び、雑種タンポポの問に雑種が形成される頻度を推定するために、頭花を用いた交配実験を行った。結実率は、カンサイタンポポ同士で27%、カンサイとセイヨウ、及び、3倍体雑種で1%、カンサイと4倍体雑種で10%であった。4倍体雑種にはカンサイタンポポと交配しやすい系統が存在する可能性がある。
3.近畿における雑種セイヨウタンポポの空間分布を解析した結果、雑種が多いのは比較的新しく開発された住宅地であり、都市中心部と農村部では雑種比率は小さいことがわかった。また、雑種比率の高い場所は、在来2倍体タンポポと外来タンポポ(雑種を含む)がほぼ拮抗している場所であることも示された。これらの結果から、雑種タンポポの拡大には、在来種と外来種の交配頻度の増加が寄与ていた可能性と雑種化によってセイヨウタンポポが在来種の生育環境へも侵入できる何らかの特性を獲得した可能性の2つが考えられた。

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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