研究課題
アライグマ同様、北米から日本に持ち込まれ、外来種化したミンクについても、アライグマの捕獲事業に併せ安楽死およびサンプリングを実施した。これまで旭川の報告でしかないものに追加ができた。ドブネズミは国内の離島で繁殖し、ミズナギドリを初めとした海鳥類の卵や雛を捕食するなどの影響で保全生物学的に大きな問題となっている。すでに、昨年と今年、環境省の支援を受け、北海道のモコルリ島で捕獲調査を行い消化管内容物および寄生蠕虫類保有状況を報告した。また、今年は、新たに渡島大島で調査を行った。北海道では人および農作物へ害をなすことで疎まれる一方、大自然を代表する在来種としてはヒグマが挙げられるが、この動物おけるマレー鉤虫Ancylostoma malayanum、さらに、クマ蛔虫と裂頭条虫の調査を全道的に展開した。また、飼育施設での予備調査として登別クマ牧場での糞便検査を実施したが、蛔虫卵のみの検出であった。なお、動物園動物の診断全般も実施している。2005年2月、知床半島で集団座礁したシャチについて国立科学博物館を代表とする共同研究班に属し、種々分析の解析結果が、2007年5月、米国アンカレッジで開催された第59回IWCおよび6月に沖縄で開催された太平洋国際会議で報告された。また、今年から九州あるいは新潟の水族館との共同で、スナメリやオガワコマッコウ(Kogia sima)などのクジラ類の検査も開始した。沖縄県・南大東島のモズではおそらく多くの個体で、大型の線虫が寄生し、重篤な寄生虫症は引き起こしてはいないものの猛禽類からの捕食回避や正常な繁殖活動に間接的な影響を与えていると推定されている。また、その線虫がバッタ類を中間宿主とすることから、昆虫相を含め、2007年12月5日から10日、同島ではじめて現地調査を実施し、多くの昆虫類を採集することができた。
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