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2007 年度 実績報告書

欧州における越境地域協力の制度化とマルチレベルガバナンスに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18510212
研究機関山形大学

研究代表者

高橋 和  山形大学, 人文学部, 教授 (50238094)

キーワード政治学 / 地域協力 / EU / マルチレベル・ガヴァナンス / ユーロリージョン / 国際協力 / EGTC / INTERREG
研究概要

本研究は、ユーロリージョンと呼ばれる欧州における基礎的自治体等をアクターとするミクロレベルの地域協力の制度化の進展と制度化に伴う問題点をマルチレベル・ガヴァナンスという観点から検討しようとするものである。越境地域協力は、国境線によって分断されてきた住民の生活空間を生活者の視点によって再編成するという意味を持つとともに、それによって国家の相対化と国家間の対話の場の確保という国家レベルの信頼醸成の機能を果たしている。しかし、地域協力の主体であるユーロリージョンはその多くが任意団体であるという観点から、正統性の問題を生じていた。そのためにEUはEGTCという制度の導入を図り、EUの規則によってユーロリージョンを公法に基づく団体として、国家から独立した機関として位置づけることによって、ユーロリージョンの自立性を確保しようとしている。しかし、EGTCの導入は、国家の関与を減少させる一方で、EUの関与を強めることになり、生活者の視点という「補完性の原理」に則った協力が、これを脅かすという危険性を孕んでいる。
本研究の意義は、このEGTCの制度が導入される背景として、ユーロリージョンの地理的な拡大によって行政能力の十分でなりEUの外延地域にユーロリージョンが設置されたことに伴う対応として出現したという制度導入の背景を明かにしたことであり、さらにマルチレベルのガヴァナンスというスキームは、どのレベルが主導権を握るかによって全く逆の効果を生むケースがあり、多元化そのものが国家間システムを相対化することにはならないという限界を明かにしたことである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 越境地域協力の制度化と変容2007

    • 著者名/発表者名
      高橋 和
    • 雑誌名

      山形大学大学院社会システム研究科紀要 4号

      ページ: 33-49

    • 査読あり
  • [学会発表] EUの近隣諸国政策と越境地域協力2007

    • 著者名/発表者名
      高橋 和
    • 学会等名
      環日本海学会
    • 発表場所
      立命館アジア太平洋大学
    • 年月日
      2007-12-09
  • [図書] EUスタディーズ3 国家・民族・地域2007

    • 著者名/発表者名
      高橋 和(共著)
    • 総ページ数
      251
    • 出版者
      勁草書房

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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