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2008 年度 実績報告書

独立期以降におけるインド農業発展の制度的要因:西ベンガル州の事例

研究課題

研究課題/領域番号 18510214
研究機関東京大学

研究代表者

中里 成章  東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (30114581)

キーワード土地改革 / 農業発展 / 食糧問題 / 経済援助 / ベンガル / インド / インド・パキスタン分離独立 / オペレーション・バルガ
研究概要

インドの食糧穀物の生産量は、1960年度から2000年度までの40年間に2.4倍増加した。本研究は、インド農業の持続的成長を可能にした制度的要因を、西ベンガル州を事例として、社会経済史の観点から実証的に究明することを目的とする。また国際的要因を重視し、米国が農業政策の形成に及ぼした影響を検証することも、重要な目的である。
第3年度の今年度は、インドと米国で最終的な史料調査を行った。インドでは、西ベンガル州政府図書室、西ベンガル州政府土地・地租省図書室、西ベンガル州公文書館、インド国立公文書館、ネルー記念図書館を、米国では米国公文書館、世界銀行グループ文書館を訪れた。これらの史料調査の結果、初年度と第2年度の調査で入手できなかった史料を概ね補充することができた。
インドでの調査では、ベンガルにナショナリストの州政府が成立した1937年から、土地改革が実施された53-55年までの間に、州議会に提案された農業関係の法案(小作法、金貸規制法、土地改革法等々)をほぼ網羅的に集めることができた。土地改革以後の時期(主に60年代)の調査が残っているが、補充するのは難しくない。前年度に入手した「オペレーション・バルガ」と呼ばれる刈分小作人保護政策(70年代末以降に実施)の基本史料と合わせ、ほぼ半世紀にわたる農業関連立法の歴史を通観する準備をほぼ整えることができたと考えている。これらの史料は膨大な量があり、いかに活発に農業問題が論議されたかを雄弁に物語っている。不十分な点が多々あったにせよ、国民各階層を巻き込んだ長年にわたる総合的な努力が、農業発展の制度的な枠組みを準備したと言えそうである。
米国での調査では、インドを反共の砦と位置づける米国政府が、農村の安定を重視し、経済援助によって農村開発プログラムを展開するにとどまらず、土地改革をも推進した経緯を実証的に明らかにすることができた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 訳注『ラダビノド・パル博士(1886-1967)略伝』2009

    • 著者名/発表者名
      中里成章
    • 雑誌名

      東洋文化研究所紀要〈東京大学 155

      ページ: 171-220

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 書評中島岳志著『パール判事-東京裁判批判と絶対平和主義-』(白水社、2007年)2008

    • 著者名/発表者名
      中里成章
    • 雑誌名

      アジア経済 49,8

      ページ: 66-72

    • 査読あり
  • [雑誌論文] グローバル化とインド-アイデンティティの政治の高まりと転換2008

    • 著者名/発表者名
      中里成章
    • 雑誌名

      神奈川大学評論 59

      ページ: 101-109

  • [雑誌論文] Harish Chandra Mukherjee: Profile of a "Patriotic" Journalist in an Age of Social Transition2008

    • 著者名/発表者名
      Nariaki Nakazato
    • 雑誌名

      South Asia (the Journal of South Asian Studies Association of Aus 31,2

      ページ: 241-270

    • 査読あり
  • [図書] 中央公論新社(中公文庫)2009

    • 著者名/発表者名
      中里成章(佐藤正哲、水島司と共著
    • 総ページ数
      233-466,678-686
    • 出版者
      世界の歴史14ムガル帝国から英領インドへ

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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