研究課題/領域番号 |
18510217
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地域研究
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
川野 徳幸 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (30304463)
|
研究分担者 |
大瀧 慈 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (20110463)
松尾 雅嗣 広島大学, 平和科学研究センター, 教授 (40106787)
小池 聖一 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 准教授 (70274024)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
キーワード | カザフスタン / セミパラチンスク / 核被害 / 被災証言 |
研究概要 |
本研究は、セミパラチンスク地区における核被害の実態解明を目的に、核実験場近郊住民へのアンケート調査・証言収集調査を行ってきた。同時に、広島・長崎原爆被害との比較検討も行い、両者の異同についても検討した。アンケート回答結果について、統計学的手法も援用し、分析・考察を行い、以下の結果を得た。 1.2006年8月と2007年8月に、セミパラチンスク核実験場近郊の9村で証言収集調査及びアンケート調査を実施した。証言に関しては、核実験にまつわる体験、心残りなこと、現在の生活環境に対する要望等を自由に記述してもらい、396名から回収した。アンケートに関しては、被災体験、現在の健康状態、被曝の経緯に関する設問を設け、475名から回答を得た。アンケート結果の集計は終了した。証言に関しては、翻訳作業を継続中である。 2.広島・長崎被爆証言(朝日新聞実施「被爆60年アンケート調査」の証言)のデータ入力を行い、約8000人分の証言入力を終了した。一部、判読不能文字等の確認が残っているが、ほぼ全データの入力を完成した。 3.2005年までに収集したアンケート・証言を基に、セミパラチンスク地区住民の健康状態・保持疾患状況及びそれらと被曝線量との関係を検討した。その結果、健康不良及び特定の疾患の発症は、核実験による被ばくが原因である可能性を示唆した。 4.2005年までに収集したアンケート・証言を基に、セミパラチンスク地区住民の核実験体験及びそれら体験と被曝線量・爆心地からの距離との関係を考察した。その結果、核実験体験の有無は、爆心地からの距離に左右されている可能性が高いことを明らかにした。同時に、爆心地から半径170km-180km以内の住民は、何らかの体験を有している可能性が高いが、200km以遠の住民では、その可能性は低いことを明示した。
|