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2006 年度 実績報告書

感覚・知覚・概念--知覚の「生態学的現象学」の可能性

研究課題

研究課題/領域番号 18520004
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京大学

研究代表者

村田 純一  東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (40134407)

研究分担者 染谷 昌義  東京大学, 大学院総合文化研究科, 研究拠点形成特任研究員 (60422367)
キーワード現象学 / 生態心理学 / 脳科学 / 知覚 / 行為 / アフォーダンス
研究概要

本年度は、知覚の現象学的な研究を脳科学や認知科学の成果を批判的に検討することに基づいて発展させると同時に、その議論をさらに、生態心理学の観点と結びつける試みを行った。
最近の脳科学の知見のなかの興味深いものとして、MilnerとGoodaleによる視覚の二重システム理論がある。この理論は、知覚と行為が乖離する特異例を基にして、視覚に関する伝統的な直線的なモデルが成り立たないことを印象深く示した興味深いものである。しかし他方で、知覚と行為の連関に関しては必ずしも明確な見方をもたらすものではない。こうした点を踏まえて、脳科学の新たな知見を生かしながら、知覚と行為に関するフッサールやハイデガーらの知見を展開することによって、知覚と行為の連関に関するする新たな見方を探った。
知覚と行為の連関は生態心理学のなかで最も中心的に扱われてきた課題であり、特に、環境内にあるさまざまな手がかり(特に光学的情報)をもとに研究されてきた。この成果を現象学の射映概念やキネステーゼの議論と結びつける可能性を具体的な形で探った。
こうした検討を通して、視覚認知の基本構造を脳や神経の働きに結びつける場合に、「入力-処理-出力」という図式によって捉える伝統的な見方に代えて、環境内での横断的な調整活動の機能という新たな見方を探った。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] What does the ecological approach imply for the phenomenology of perception2007

    • 著者名/発表者名
      Masayoshi Someya
    • 雑誌名

      Proceedings of the 1^<st> BESETO Graduate Conference of Philosophy

      ページ: 19-30

  • [雑誌論文] 『認識』の哲学から『環境』の哲学へ2007

    • 著者名/発表者名
      染谷昌義
    • 雑誌名

      シリーズヒトの科学「環境の中のヒト」(佐々木正人編) 4巻

      ページ: 77-102

  • [雑誌論文] 究極のプライバシーが脅かされる!?ニューロイメージング技術とプライバシー問題2007

    • 著者名/発表者名
      染谷昌義
    • 雑誌名

      UTCP論集 8号

      ページ: 17-35

  • [雑誌論文] Perception and Action Unity and disunity of our perceptual experience2006

    • 著者名/発表者名
      Junichi Murata
    • 雑誌名

      Proceedings of the 2^<nd> International Conference of Phenomenology for East Asian Circle

      ページ: 122-135

  • [雑誌論文] Ecological turn in phenomenology of perception2006

    • 著者名/発表者名
      Masayoshi Someya
    • 雑誌名

      Proceedings of the 2^<nd> International Conference of Phenomenology for East Asian Circle

      ページ: 16-26

  • [図書] 技術の倫理学2006

    • 著者名/発表者名
      村田純一
    • 総ページ数
      177
    • 出版者
      丸善株式会社

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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