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2006 年度 実績報告書

翻訳の哲学史

研究課題

研究課題/領域番号 18520005
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京農工大学

研究代表者

伊東 道生  東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 助教授 (50232476)

キーワード哲学史 / 翻訳 / 19世紀フランス哲学 / 制度化 / 哲学教育 / 標準教科書
研究概要

本研究では、哲学史を、その「受容」、とりわけ言語(文化)圏の異なる哲学の受容に焦点を当てて、その傾向を明らかにし、概念関係の変遷から哲学史を解釈し直してみることを目指している。問題としては、
(1)ある主要概念は、どのような訳語として訳されたか。
(2)部分訳や抄訳がどのように行なわれ、どのような理由なのか。
(3)翻訳のバリアントには、どういうものがあるか。
(4)標準的教科書になるプロセスは、どのようなものか。
を、明らかにすることで、哲学受容の一側面を解明する。研究対象となるのは、19世紀の国家によって制度化され、教育体制に組み込まれていくフランスへのドイツ哲学の受容とその翻訳、また、その逆のフランス哲学のドイツ語翻訳、英語翻訳である。これを通じて、普遍的概念ではなく、翻訳に伴う誤解と受容の状況を明らかにすることで、新しい実証的哲学史を提示することを目標としている。
今年度は、19世紀フランス哲学の制度化に大きな影響を与えたクーザンによるプロシアの「教育視察報告」の翻訳、標準哲学史の様々な翻訳、そして普仏戦争時の「ドイツ国民に告ぐ」(フィヒテ)の翻訳と受容に関する資料を収集し、その分析を試みた。とくにクーザンの教育視察は、ただちにドイツ語訳がされ、つづいて、2年後には英訳もされ、公教育に関する関心の高さが伺われる。Public Instructionとフランス語を直訳にするか、National Educationと訳すか、ドイツ、フランス、イギリスの教育制度の文脈を含む翻訳の困難さを通して、教育と哲学の問題を設定する準備ができた。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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