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2007 年度 実績報告書

プラトンからヘレニズム哲学に至る知の基礎づけと演繹的・非演繹的体系の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18520009
研究機関名古屋大学

研究代表者

金山 弥平  名古屋大学, 文学研究科, 教授 (00192542)

キーワードプラトン / ヘレニズム哲学 / 理性 / 感覚 / 表象 / イメージ / 感情 / 幸福
研究概要

知識の基礎づけという問題について、プラトン、アリストテレス、ストア派、エピクロス派、懐疑派を比較するとき、ヘレニズム哲学以前には、どちらかと言えば理性の力が重視されていたのに対して、ヘレニズム哲学においては、感覚経験からの出発が重んじられた。それだけではなく表象(イメージ)の世界が重視されるようになった。この最後に述べた事実が、19年度の研究の過程で非常に重要なポイントとして浮上した。それとともに私自身の研究の幅も、たんに認識論的な問題から、感情と知の関わり、普遍の存在、探求における「例(example)」の使用、そしてヘレニズム時代以前の幸福観(幸福とは「善く行なうこと」)と、ヘレニズム時代以降の幸福観(幸福とは「無動揺(アタラクシアー)」)の相違にまで広がることになった。
具体的活動としては、セクストス・エンペイリコス『学者たちへの論駁』のうちの「自然学者たちへの論駁』と「倫理学者たちへの論駁」の翻訳を進めた。また、G.E.R. Lloyd, Ancient Worlds, Modern Reflections, Oxfbrd, 2004の翻訳も進めたが、これは「普遍の存在」や「例の使用」について考察を深めるきっかけになった。
さらに、プリンストン大学のChristian Wildberg教授、カリフォルニア大学バークリー校のG.R.F. Ferrari教授との交流を通して、イメージの世界が認識論的に、また広く哲学においてもつ意味について大きな手がかりを与えられた。イメージを通しての把握ということは、神と非理性的動物の間で人間をどこに位置づけるかという問題、さらには、人間がどこまでこの自然界の摂理を確信できるか、という問題とも密接に関わる事柄であり、これからの研究の大きなテーマを示されたと思っている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] プラトン対話篇における正と負の感情-プラトン感情論に向けて-2008

    • 著者名/発表者名
      金山 弥平
    • 雑誌名

      哲学フォーラム 5

      ページ: 25-34

  • [雑誌論文] 心理的・社会的・宇宙的環境におけるコスモス(秩序)の構築-古代懐疑主義とプラトン-2008

    • 著者名/発表者名
      金山 弥平
    • 雑誌名

      平成18〜19年度科学研究費(萌芽研究)研究成果報告書「言語表象と脳機能から見た環境生成のメカニズム」 近刊

  • [雑誌論文] 交響するコスモス、古代ギリシアの哲学の立場から-説明相互、種相互、および物質における連続性の問題-2008

    • 著者名/発表者名
      金山 弥平
    • 雑誌名

      平成18〜19年度科学研究費(萌芽研究)研究成果報告書「言語表象と脳機能から見た環境生成のメカニズム」 近刊

  • [学会発表] 交響するコスモス-人類5000年の宇宙論:古代ギリシアの哲学の視点から2007

    • 著者名/発表者名
      金山 弥平
    • 学会等名
      「言語表象と数理的表象に基づく宇宙論の再構築」
    • 発表場所
      名古屋大学、文系総合館カンファレンスホール
    • 年月日
      2007-09-25
  • [学会発表] プラトンの想起、メタファー、似像2007

    • 著者名/発表者名
      金山 弥平
    • 学会等名
      handai metaphysica研究例会(第5回)
    • 発表場所
      大阪大学、待兼山会館
    • 年月日
      2007-08-03
  • [図書] 哲学の歴史第2巻、古代II、帝国と賢者、地中海世界の叡智(共著)2007

    • 著者名/発表者名
      金山 弥平
    • 総ページ数
      175-238,261-264
    • 出版者
      中央公論新社

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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