研究最終年度に当たる平成19年度は、下記のような研究を中心におこなった。 1マスメディアおよびジャーナリズムの意味と意義について、メディア史的な観点、ジャーナリズム論の観点などから検討をすすめた。 とくに「報道の自由」は、市民の「表現の自由」としての「プレスの自由」とは異なり、ジャーナリズムの専門職化とニュース・メディアの産業化・巨大化のなかで、専門的なプレス機関の自由として登場したものであること、そして独占的なプレス機関の「自由」の正当化は、現在においてもあらためて問われるべきであることを、論文「プレスの自由と社会的責任理論」において明らかにした。 2学校教育におけるNIE学習への展開については、昨年度に引き続き、京都教育大学附属桃山中学校の神崎友子教諭を研究協力者として研究をおこなった。 今年度は、中学校における「ニュースの向こうにいる送り手の存在」に焦点を当てたメディア・リテラシーの授業開発をおこなうとともに、また中学校と連携した形での大学教員養成課程でのNIE入門講座のカリキュラム開発をおこなった。後者については、日本NIE学会において「教員養成課程でのNIE入門講座から」と題して口頭発表およびそれを元にした論文「教員養成課程でのNIE入門講座から」にまとめた。
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