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2006 年度 実績報告書

ライプニッツ哲学における「合理性」概念の検討-その現代的可能性

研究課題

研究課題/領域番号 18520013
研究種目

基盤研究(C)

研究機関神戸大学

研究代表者

松田 毅  神戸大学, 文学部, 教授 (70222304)

キーワードライプニッツ / 合理性 / 認識論 / 物体論 / 夢論証
研究概要

今年度の研究は、「ライプニッツの物体論」に関して「物体の経験的認識の合理性の位置づけ」を行うことに向けられた。その成果の一部は、第8回国際ライプニッツ学会で口頭発表し、公刊された「ライプニッツの夢論証と物体の実在性」に現われている。この発表では、よく知られたデカルトの夢論証を念頭にしたライプニッツの夢と現実の区別の有無、識別基準に関する興味深い考察、つまり「カリブの夢」の逸話の考察が、物体の本質としての「延長」と「力」をめぐる自然学的および形而上学的考察と関連する点を示した。ライプニッツの物体の認識論に外在主義的とも呼べる側面があることを示すと同時に、日常経験と自然科学の対象となる「物体」の因果性と実存性をめぐる経験的認識の位置づけが課題であることも指摘した。
その後、この因果性の問題をライプニッツがどう捉えていたかに取り組んだ。その成果は、慶應義塾大学のCOEプログラムに関連する「ライプニッツ研究会」で2007年3月末に、「自然法則の偶然性と「因果性」の分析-ライプニッツの知識論の一視角-」と題して発表する予定である。その成果も論文発表する。
なお未公刊であるが、今年度は、その他、研究成果の欄に記述したようなライプニッツ研究に関する貢献を行った。『哲学の歴史』では最近の研究状況を踏まえ、新しいライプニッツ解釈を提示し、『ライプニッツを学ぶ人のために』では、普遍記号法の現代的意義を論じた。また、『リスクと合理性』の翻訳は一見ライプニッツとは無縁と思われるが、不確実性を踏まえた合理的意思決定の問題は、そこからライプニッツ哲学における合理性問題を再検討する多くの手掛かりがつかめるものと考えている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] Leibnizsche Traum Argumente und die Frage nach der Realitat des Korpers2006

    • 著者名/発表者名
      Tsuyoshi MATSUDA
    • 雑誌名

      Internationaler Leibniz-Kongreβ,Einheit und Vielheit,Vortrage (ed.H.Breger,J.Herbst und S.Erdner) VIII

      ページ: 580-587

  • [図書] 哲学の歴史 第5巻(責任編集、小林道夫)(「ライプニッツ」の箇所担当)2007

    • 著者名/発表者名
      松田 毅(分担執筆)
    • 出版者
      中央公論新社(未定)
  • [図書] ライプニッツを学ぶ人のために(監修、酒井潔)(「普遍記号法」の箇所担当)2007

    • 著者名/発表者名
      松田 毅(分担執筆)
    • 出版者
      世界思想社(未定)
  • [図書] リスクと合理性-科学哲学・倫理学的アプローチ-(シュレーダー=フレチェット著)2007

    • 著者名/発表者名
      翻訳 松田 毅 監訳
    • 出版者
      昭和堂(未定)

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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