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2007 年度 実績報告書

ライプニッツ哲学における「合理性」概念の検討-その現代的可能性

研究課題

研究課題/領域番号 18520013
研究機関神戸大学

研究代表者

松田 毅  神戸大学, 人文学研究科, 教授 (70222304)

キーワードライプニッツ / 認識論 / 合理性 / 因果性 / スピノザ / 偶然性
研究概要

今年度の研究は、まず、ライプニッツのアカデミー版全集に収められた遺稿での因果性に関する定義の考察を中心に行った。その成果の一部は、昨年3月に慶應義塾大学のCOEプログラムに関連する「第1回ライプニッツ研究会」で登表した後に、ライプニッツがスピノザの『エチカ』に関して遺したメモの考察を加え、そこに比重をおく形で、第4回スペイン国際ライプニッツ学会で"Leibniz on Causation: From his definition of cause as 'coinferens'"と題して2007年11月に口頭登表した。この論文は2008年に論文集として6月に公刊される予定であるが、発表に際しては多くの質問が寄せられた。
また、因果性について、特に自然法則と個体的な出来事の「偶然性」をめぐる考察の成果を「法則の偶然性と出来事の偶然性-因果性に関するライプニッツの定義から-」と題して論文発表している。ライプニッツが可能世界論の観点からこの世界における、自然法則の偶然性を述べただけなく、個体的出来事の偶然性も考察し、きわめて現代的な洞察をもっていたこと、それが重要な体系的意義をもつことを示した。
さらに依頼に応じて執筆した論文「ライプニッツの「心の哲学」小論-スピノザ=ダマシオのテーゼ「人間精神は人間身体の観念である」から-」では、スピノザの「観念」に関するテーゼをライプニッツがどう受容し、評価したかを示し、ライプニッツの「感情」をめぐる議論の意義を示した。
なお、これまでの研究成果を盛り込む形で、『哲学の歴史』第5巻(責任編集、小林道夫)では「ライプニッツ」の箇所の執筆を行ったことを申し添えておきたい。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 「法則の偶然性と出来事の偶然性-因果性に関するライプニッツの定義から-」2008

    • 著者名/発表者名
      松田 毅
    • 雑誌名

      『神戸大学文学部紀要』 35号

      ページ: 1-33

  • [雑誌論文] Leibnizian Dream Arguments and the Question of the Reality of Bodies2007

    • 著者名/発表者名
      Tsuyoshi MATSUDA
    • 雑誌名

      『愛知』 19号

      ページ: 57-70

  • [雑誌論文] 「ライプニッツの「心の哲学」小論-スピノザ=ダマシオのテーゼ「人間精神は人間身体の観念である」から-」2007

    • 著者名/発表者名
      松田 毅
    • 雑誌名

      『水声通信』 17号

      ページ: 80-86

  • [学会発表] "Leibniz on Causation: From his definition of cause as 'coinferens'"2007

    • 著者名/発表者名
      Tsuyoshi MATSUDA
    • 学会等名
      IV international Conference of Leibniz Society in Spain
    • 発表場所
      Granada University
    • 年月日
      2007-11-02
  • [図書] 哲学の歴史 第5巻(責任編集、小林道夫)「ライプニッツ」の箇所担当2007

    • 著者名/発表者名
      松田 毅(分担執筆)(近刊)
    • 総ページ数
      766(内116)
    • 出版者
      中央公論新社
  • [備考]

    • URL

      http://www.lit.kobe-u.ac.jp/philosophy/kyoukan/tsuyoshi_matsuda.html

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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