本研究は、平成15~17年度にかけて行った「親鸞の浄土観の成立および構造にかんする倫理思想史的研究」をふまえた上で、さらに中国浄土教からインドの大乗仏教思想への遡行を試みることによって、時間・空間両軸からの充実をはかり、それによって、さらに構造をより明確にすることを目的としたものであり、ひいては大乗仏教思想の流れの中で親鸞が占める位置を明らかにすべく、主に以下の二つの面から、龍樹・世親を代表とするインド浄土教の祖師が親鸞の思想形成に与えた影響を解明した。 (1)「インド~中国仏教における浄土教の位 (2)「龍樹と世親の親鸞思想における位置」
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