研究課題/領域番号 |
18520019
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
松阪 陽一 首都大学東京, 人文科学研究科, 助教授 (50244398)
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研究分担者 |
野本 和幸 創価大学, 文学部, 教授 (70007714)
丹治 信春 首都大学東京, 人文科学研究科, 教授 (20112469)
岡本 賢吾 首都大学東京, 人文科学研究科, 助教授 (00224072)
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キーワード | 哲学 / 西洋哲学 / 論理学 / 意味論 |
研究概要 |
本年度は準備期間としての位置付けられており、主に資料収集と専門知識の吸収に重きを置いた活動をした。特に、12月9日から10日にかけて行った研究合宿では、渡辺鉄兵(日本学術振興会特別研究員)、土谷岳志(東京都立大学大学院)、遠山茂朗(一橋大学大学院)の若手研究者三人に、それぞれ「圏論とその拡がり」、「$entence,一般元、プロト数学」、「Lambda-mu-calculus入門」と題した講演をお願いし、現代数学やコンピューター科学の成果と、論理学、言語哲学との接点について討論を行った。これらは特に岡本賢吾の研究領域と深い関係にあるものであるが、野本和幸や松阪陽一が研究対象としている自然言語の意味論にとっても非常に重要な成果であるという認識を得た。特に現代の証明論研究とコンピューター科学の結びつきは非常に興味深いものであり、フレーゲやラッセル、ゲーデルといった二十世紀分析哲学に大きな影響を与えた人々の業績を再評価する際の手がかりを与えてくれるものであることが認識された。これらの認識は、岡本の「不完全性定理再考」においては、ゲーデルの不完全性定理が今日の数学・論理学研究に対してどのような意味をもつのかに関して、そして同じく岡本の『フレーゲ哲学の最新像』の編者解説においては、フレーゲの論理・数学的業績と、コンピューター科学における「フレーゲ構造」との関係に関して、ある程度反映させることができた。 こうした成果を踏まえて、来年度以降も各分野の若手研究者を招いて最新の成果の吸収に努めつつ、二十世紀の遺産を再検討するという方針を再確認した。
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