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2006 年度 実績報告書

数学・論理学における構成主義についての哲学的・歴史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18520025
研究種目

基盤研究(C)

研究機関専修大学

研究代表者

金子 洋之  専修大学, 文学部, 教授 (60191988)

キーワード(数学的)直観主義 / ブラウワー / フレーゲ / ゲーデル / ダメット / 構成主義
研究概要

本研究の初年度の課題は、数学的構成主義のいくつかの立場についてサーベイを行うとともに、その背景にまで遡ってそれらの立場の哲学的な源泉を探ることであった。この点では、本年度は充分な前進を見ることができた。具体的には、(1)科学基礎論学会18年度秋の研究会において、「直観主義の哲学」というタイトルのもとでシンポジウムを組織し、提題者として「ブラウワー再考」という発表を行った。この中で主として論じられたのは、ブラウワーの哲学をひとつの数学の哲学として理解するにはどうすればよいかということであったが、それを論ずる過程において、ヴィトゲンシュタインの論考期における算術理論およびフレーゲの論理学観との比較を行い、ブラウワーを含めた三者の間に一定の共通基盤があることを示すことができた。また、ブラウワーの「構成としての存在」という考え方の背景が、カント以降のドイツロマン主義にまで遡ることを検証した。(2)ゲーデルにおいて直観主義がどのように理解されていたか、また、ゲーデルの一連の業績に対するブラウワーの影響がどのようなものであったのか、についての検討を行い、ゲーデル自身は決して直観主義者ではなかったものの、直観主義数学を形式主義に対する批判的視点を用意するものと位置づけ、そのために数学として洗練させる作業にゲーデルが従事していたことを明らかにした。(3)さらに、意味論的な直観主義の背景と考えられるフレーゲの哲学について一般的な解説を書く中で、フレーゲの言語的プラトニズムが大方の予想よりも構成的であり、そうしたフレーゲの構想自身が一つの構成的な立場と位置づけられることを明らかにしようと試みた。(4)また、そうしたフレーゲ理論と証明論的意味論という構成主義の一種との関わりを解明する上で、鍵となる「文脈原理」および「意義」概念の分析を、主としてダメットの諸説とフレーゲの学説をいかに接続するかという観点から行った。実際には、これらの研究のいくつかは、外部からの要請に応じる必要からなされたが、それらの研究を本研究の中心課題に結びつける形で行うことができた点では、充分な成果があったと考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] ゲーデルと直観主義2007

    • 著者名/発表者名
      金子洋之
    • 雑誌名

      現代思想 Vol. 35-3 2月臨時増刊号

      ページ: 138-148

  • [図書] ダメットにたどりつくまで2006

    • 著者名/発表者名
      金子洋之
    • 総ページ数
      242
    • 出版者
      勁草書房

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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