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2008 年度 実績報告書

カント批判哲学による「平和的生存権」の形而上学的解明

研究課題

研究課題/領域番号 18520031
研究機関長野工業高等専門学校

研究代表者

中村 博雄  長野工業高等専門学校, 一般科, 教授 (90141887)

キーワード平和的生存権 / 平和 / 人権 / 自由 / 日本国憲法 / 教育 / カント批判哲学 / 形而上学
研究概要

年度当初に申請書に記した計画((1)・(2)・(3))に従って研究を進め、次のような成果を得ることができた。
(1) 総合人間学会第3回研究大会(6月に東京で開催)において「人間はどこにいくのか?-カント永遠平和論の視座から」というテーマで口頭発表した。そこでの討論を基に、平成18年度から本年度までの研究を整理し、総括するとともに、研究の最終段階に向けて考察を進めた。
(2)8月にドイツでDetlef Thiel博士(19世紀ドイツ思想史研究の権威)と面会し、カント平和論の今日的意義について検討を加えた。これによって、「平和的生存権」の問題は究極的に「教育」の問題に帰着するという提言(「汝平和を欲すれば、平和に備え、平和的生存権を培え」深瀬ほか編『恒久世界平和のために-日本国憲法からの提言-』勁草書房、1998年、91頁)の思想史的意義を確認するとともに、「平和的生存権を培え」という提言の教育学的意味・意義の解析を進めることができた。
(3)上記(1)・(2)の研究から、「平和的生存権」の問題は「人格の相互性」の問題に帰着すること、この問題は根本において「教育の本質」すなわち「人格教育」の問題と一体であることを明らかにした。さらに、この論点は深刻な現代の教育問題を考える上でも有力な手がかりになり得るはずであるという新たな課題を浮き彫りにした。以上が本年度の研究成果である。
最後に、本年度は、これまでの3年間の研究成果が著書や印刷物の形で国内外に次々と刊行されるという幸運に恵まれた点をとくに付言しておきたい(「11.研究発表」参照)。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] カント永遠平和論の今日的意義と教育の課題2009

    • 著者名/発表者名
      中村博雄
    • 雑誌名

      総合人間学(総合人間学会編) 第3巻(印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Ein philosophischer Zugang zum Wesen der heutigen Erziehungs-probleme in Japan2008

    • 著者名/発表者名
      Hiroo Nakamura
    • 雑誌名

      高専ドイツ語教育(高専ドイツ語教育研究会編) 第10巻

      ページ: 73-86

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Philosophische Begrundung der "Achtung des Individuums" und des "allgemeinen Wohls" (Art. 13 der japanischen Verfassung) nach Kant2008

    • 著者名/発表者名
      Hiroo Nakamura
    • 雑誌名

      Recht und Frieden in der Philosophje Kants : Akten des X. Internationalen Kant-Kongresses, Bd. 4 (Walter de Gruyter, Berlin)

      ページ: 551-562

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 新時代のための新たな倫理教育の必要性とその教育原理の研究2008

    • 著者名/発表者名
      中村博雄
    • 雑誌名

      新しい出発((社)尚志会) No. 13

      ページ: 93-112

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Kant and the Constitution of Japan : The significance today of Kantian pacifism identified in the introduction of the Constitution of Japan2008

    • 著者名/発表者名
      Hiroo Nakamura
    • 雑誌名

      Kant, les Luwieres et nous (Maison Arabe du Livre, Tunis)

      ページ: 301-315

    • 査読あり
  • [学会発表] 人間はどこにいくのか? -カント永遠平和論の視座から2008

    • 著者名/発表者名
      中村博雄
    • 学会等名
      総合人間学会第3回研究大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-06-08
  • [図書] カント批判哲学による「個人の尊重」(日本国憲法13条)と「平和主義」(前文)の形而上学的基礎づけ【※平成20年度科研費(研究成果公開促進費)による刊行】2008

    • 著者名/発表者名
      中村博雄
    • 総ページ数
      328
    • 出版者
      成文堂

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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